第6話 寂しさゆえ
「…生きてる?」
「生きてます。」
「……」
ある日の昼下がり、駅前の都合のいいホテルにアプリで知り合った子と居た。
今にも消えてしまいそうなどことなく幼く、でもちょっと妖艶で、でも脆くて…触ったら壊れてしまいそうな子だった。
僕は…純粋にその子を抱きしめていた。
抑えきれなかった。
「…君、名前は?」
「唯華です。」
「唯華ね。歳は?」
「25です。」
「それは嘘だな」
「お見通しですか?」
「別にいくつでもいいけど。犯罪じゃなきゃ。」
「大丈夫。18だから。」
「……」
「…私と付き合ってくれませんか?」
「………。」
「ダメですか?」
「俺でいいの?」
「……。」
どことなく唯華の目が潤んでいた。
「…俺さ、『普通』じゃないけどいい?」
「どういう意味ですか?」
「…してみる?」
「はい…」
「…唯華、俺を玩具にしていい。好きに使って。心も体も満たす道具になりたい。」
「…私もそうなりたい。」
僕はもう一度彼女を包み込んで唇を重ねた。
『性的な興奮』よりも
『安心感』の方が多く感じた。
「唯華、結果的にしないってこともあり?それはなし?」
「私はありだと思います。」
彼女を包み込んだまま話していた。
「唯華…始めたら出して終わりじゃん。それじゃ勿体ないし、寂しいんだよ。もし、お前が嫌じゃないなら、このままずっとこうしてたい。」
「…私に惚れました?」
「完全にやられた。」
唯華は微笑みながら僕にキスした。
「…なんでこんな可愛いんだ。」
「あなたの腕の中だから。」
「奥まで繋がったらこの寂しさ消えるかな。」
「なんでもう寂しいの?」
「帰らなきゃ行けない時間は来るから。」
「…あなたの家に行ってもいいですか?」
「…閉じ込めたい。」
「いいですよ。」
この日何も無かったが、自宅で翌朝目が覚めると
確かに手錠で繋げた彼女が隣にいた。
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