異世界社長 ～転生したらブラック企業を救う魔法経営者でした～

第6話 魔王カンパニーとの技術競争！限界を超えろ

「3日後の技術プレゼンテーションまでに、スカイドローンをさらに進化させる。」

会議室に集まった社員たちを前に、俺はそう宣言した。魔王カンパニーの天才技術者ゼンフとの直接対決。この勝負に勝てば、セイヴァーズ社の技術力が世間に認められる。しかし、負ければ会社の未来は一気に暗転する。

「期限は短いが、俺たちならやれる！」

社員たちは不安を隠せない様子だったが、俺の言葉を聞いて力強くうなずいた。

ゼンフの挑発

プレゼンテーション前日、俺たちの会社にゼンフ自らが訪れた。彼は長い白衣をまとい、冷ややかな笑みを浮かべている。

「お前たちが新社長か。噂以上に無能そうだな。」

「わざわざ挨拶に来てくれるとは、ずいぶん余裕があるんだな。」

俺の返事に、ゼンフは肩をすくめた。

「余裕ではない。むしろ、勝負にすらならないと思っているだけだ。明日、お前たちの技術力がどれほど低いか、世間に示してやる。」

彼の言葉に社員たちは動揺するが、俺は笑って答えた。

「明日、お前が笑えるかどうか楽しみにしておくよ。」

リアの新技術：マルチタスクモード

リアは徹夜でスカイドローンの改良に取り組んでいた。

「社長！ 新しい技術が完成しました！『マルチタスクモード』です！」

この機能により、スカイドローンは複数の作業を同時に行えるようになった。農地での種まきと収穫、物流での複数地点配送など、実用性が大幅に向上する。

「これならゼンフに勝てる可能性がある！」

リアの目は輝き、自信に満ちていた。

プレゼンテーション当日：ゼンフの切り札

翌日、技術プレゼンテーションの会場は多くの観客で埋め尽くされていた。最初に登壇したのはゼンフだ。

「これが魔王カンパニーの新製品『ブラックホーク』だ！」

ゼンフが披露したのは、圧倒的な速度と耐久性を兼ね備えた飛行型ドローンだった。その性能は観客を驚かせ、大きな拍手が湧き上がる。

「どうだ？ お前たちの玩具とは比べ物にならないだろう。」

スカイドローンの逆転劇

次に登壇したのは俺たちセイヴァーズ社だった。

「皆さん、これが私たちの新製品『スカイドローン2.0』です！」

リアが改良したマルチタスクモードのデモンストレーションを披露すると、会場は再びどよめきに包まれた。スカイドローン2.0はゼンフのブラックホークにはない柔軟性を備えていた。

「スカイドローン2.0は単なる速度ではなく、多様な用途に対応する万能性を追求しました！」

俺の説明に、観客からは賞賛の声が上がる。

勝者は……セイヴァーズ社！

プレゼンテーションの結果、審査員たちはセイヴァーズ社のスカイドローン2.0を高く評価した。

「この柔軟性と実用性は、間違いなく市場に革新をもたらすだろう！」

ゼンフは悔しそうな表情を浮かべながらも、最後にこう言った。

「お前たちを侮っていた。だが、次はもっと強力な敵を送るからな。」

社員たちの結束、そして次の戦いへ

会社に戻った俺たちは、今回の勝利を喜びつつも気を引き締めていた。

「次は魔王本人が動く可能性がある。」

俺の言葉に、社員たちは真剣な表情でうなずいた。だが、その目には恐怖だけでなく、戦う覚悟が宿っていた。