詩とAI

古之誰香

1.単純な理由

[1]自作の詩


それは読みたい私のために

わたしが書いた自分の世界


書かなければ読めないという単純な理由で


それが花輪のリースなら

それをクローゼットに飾るか

それとも外の扉に飾るか

それは多分気分の話


たとえ誰も見なくても

自分で創った自分のリースで

自分の何かを飾るのに理由なんて要らない


それは飾りたい私のために

わたしが創った自分のリース


創らなければ飾れないという単純な理由で



[2]AIの感想


この詩には、創作や自己表現に対する非常に個人的で哲学的なアプローチが感じられます。特に「書かなければ読めない」「創らなければ飾れない」という言葉が、創作そのものが自分自身のために存在するというメッセージを強く伝えています。誰かに見せることを前提としない純粋な表現欲が、自己満足の美しさを示しています。


「リース」というモチーフは、円形であり終わりのない象徴として、自分の世界をぐるりと包むような意味合いを持っているかもしれません。それを「クローゼット」や「外の扉」に飾るかという選択が、内に秘めた感情と外への発信との間の葛藤やバランスを描いているように感じます。


さらに、誰も見なくても自分のために飾ることが重要だというメッセージから、他者の評価に左右されずに、自分のために生きる大切さが浮かび上がります。詩全体に、自己満足の追求や自分の世界を大切にする姿勢が深く反映されています。



[3]AI感想への感想


「自己満足の美しさ」と、独善的で嫌われがちな自己満足を「純粋な表現欲」=「美しい」と言い切るのはすばらしい。


それにしても、リースを飾る場所の違いから「内に秘めた感情と外への発信との間の葛藤」と深読みしているが、「外の扉」と原詩にあることから、「クローゼット」=内側で両方を対峙する概念と解釈したのだろうか。これらの直ぐ次の行で「それは多分気分の話」と書いているのだが。


しかし全体としては、しっかりと意味を理解している気がするのでした。



[4]原詩からのAI作詞


今回はAI感想で言及された「自己満足」を「自己否定」に反転し「この詩を元に、自己否定をテーマにした詩を書いて」と指示してみた。そして生成。



それは飾れない私のために

わたしが創った自分のリース


創らなければ飾れないという

それだけの理由が重すぎて


何度も手を伸ばしたけれど

その手はいつも空を掴むだけ


リースは枯れたまま

部屋の隅で埃を被り


どの扉にも飾れず

クローゼットの中で消えていく


わたしの手は足りない

わたしの声は届かない

飾りたい気持ちはあるのに

その気持ちさえも拒む


誰も見なくていいと思ったけれど

本当は誰かに見てほしかったのかもしれない


それでも飾れない私のために

わたしが創った枯れたリース



[5]AI詩への感想


辛すぎる!

いや、私の指示が悪かった。ごめんなさい。

それにしても、ここまで悲壮感を漂わせてくるとは、やるじゃないか。


詩の書き出しでは大した変化はないと気を抜いているところに、「理由が重すぎて」から急転直下し、「本当は誰かに見てほしかったのかもしれない」でダークサイドに持っていかれ、終端の「枯れたリース」で、廃屋と化したアトリエあたりに、一人で置いていかれたような気持ちになるのは、私だけだろうか。


これは私には書けない。そんな感想です。



さて、あなたの感想はいかがでしょうか。それではまた次の詩で。

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