𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲4
俺は次の日の夜、ある夢を見た。
目の前には見たことの無い景色が 広がっていて、そこは日本じゃないどこかだった。
俺は周りを見渡していると
遠くの方に2人の人影が見え、
俺はその2人に近づいた。
途端、なんだか懐かしい雰囲気がした。
まるで遠い昔の友人に会ったような気分だった。
すると、俺に気がついた2人は
『私は藍だよ。お願い、思い出して』
『優、この世界は朽ちてしまったんだ』
と意味不明なことを言った。
その時、後ろから人の気配がして振り返ると、
そこには白く輝いた人のようなものが
立っていた。
俺が振り返ると同時にその人も
『もう逃げるしか無いんだよ』
とよく分からないことを言った。
そこで俺の夢は終わった。
今まで見たことの無い場所。
そして人。
なのに俺の目頭は熱くなっていた。
もしかしたら夢の中に居た人は
海と瞬なのかもしれない。
そのとき、俺の足元に何かが落ちていた。
俺は拾って見てみると写真のようだった。
それと同時に俺の脳にある記憶が流れ込んだ。
周りは戦争の跡地のような景色。
人は一人っ子居ない。
『優、もう逃げるしかない』
『でも別れたくなくない?』
『それな』
3人の人が仲良さそうに話している。
あぁ懐かしい。
『じゃあ約束しようよ』
【記憶が残ったまま、違う世界に行こう】
『それって転生的な感じ?』
『まぁそうだよね』
『でも俺達が居なくなったらこの世界はどうなるんだ?』
『多分..." 消滅 " するだろうね』
『そうか...』
『なぁ、もし記憶が残らないまま違う世界に行ったらどうなるんだ?』
『分からない。けど、何らかのズレが生じると思うよ』
『ズレ?』
『うん...例えば、" 容姿の反映が行われず今の姿のまま行ってしまう " とか』
『...そうか』
『藍、そろそろ行かないとまずいよな?』
『うん、多分ね』
『じゃあ行こうか』
『次の世界はどんな場所なんだ?』
『確か名前は、チキュウだったはず』
『じゃ、そのチキュウってところで合流しような!』
『うん!約束』
『じゃみんな、またね!』
『うん、また』
あぁ、やっぱり海は藍で瞬は汐だったのか。
じゃあ俺は、優...。
あの時、俺は興味本位で『記憶が残らない方』を選んだのだ。
じゃあ今、ズレが生じているのは
藍だけじゃないかもしれない。
それより、記憶が戻ったことを2人に伝えないと。
そう思い、俺は藍が居るクローゼットを開けた。
が、そこに藍は居なかった。
もしかしたら、また海に行っているのかもしれない。
俺はそう思い、足早にあの海へ向かった。
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