とある少女が旅をする話
蒼白な霧
第1話
私はいつの間にかそこに立っていた
そこは駅のホームだった
目の前には星が暗い宇宙の中で光り輝いていた
無意識にこれは夢だと思ったが、目の前に広がる星の輝きとホームのコンクリートから足の裏に伝わってくる冷たい感触はとても夢とは思えなかった
そうしてしばらく星が輝いているのを何も考えずに見ていたらアナウンスが流れてきた
「もうすぐで、電車が到着いたします。黄色い線の内側でお待ちください」
アナウンスが流れふと我に返った私は黄色い線の内側にいることを確認して電車を待った
電車はすぐに来た
電車は3両構成で、見た感じ人は少なかった
私は何故か電車に乗らなければならないと思い電車に乗った
中は今時多いい電車ではなく昔からある電車のような内装をしていた
座ってからしばらくするとまたアナウンスが流れた
「扉が閉まります。ご注意下さい。」
そうして電車の扉が閉まり駅を出発した
私は電車で揺られながら窓から星空を見た
いつの間にか終点に着いていた
窓から外を見ていたのに覚えていない
何も考えずに見ていたからだろうか
そんなことを考えているとアナウンスがながれ降車を促してきた
「ここは終点です。お乗りのお客様はお降り下さい。」
そのアナウンスの言葉にしたがいは電車を降りた
駅のホームには駅員がいた
駅員は何故か顔が見える位置なのに顔が何も見えなかった
「ここは 駅、 の人だけが来る駅です。あなたが、本当に帰るべき場所があり、そこに帰りたいと言うならもう一度電車にご乗車下さい。」
私は駅員にそんなことを言われて考えた
学校は私をいじめるやつらがいるし、先生も何の役にも立たない、家は常にイライラし、家族に暴力を振るうお父さんと家事と泣くばかりで、何もしないお母さん、近所に住んでいる人達は面倒くさいと思っているのかこっちを見るだけで、何もしてくれない、そんなところに本当に帰りたいのだろうか
私はそこまで考えて駅員の問いに首を横に振った
「そうですか、ならそこを通って駅を出てください。」
駅員に言われた通りに駅を出た
駅を出ると周りは星空ばかりで、他は何もなかった
私は特に進む方向も考えずに歩き出した
駅のコンクリートから何もないところに足を出したら、そのまま宙に体が落ちるかと思ったが、見えない地面に足を着けた
地面には温度がなく、その上を薄い水が表面を覆っているようだった
私は地面があることに驚いたが、そのまま進んでいった
足を動かす度に水の表面に波紋ができる
私は水にできる波紋と下に見える星空を見ながら歩いって行った
どのぐらいそうして歩いて行ったのだろうか、遠くに何か落ちているのが見える私は、少し速めに歩いた
落ちていたのはふんわりと光る親指の爪ぐらいの大きさの石だった
多分これは星の欠片だろう
私はそれを大切にポケットに入れた
それから何か変わったかと言えば下びかり見ていたのが何か落ちていないか探すために前を見るようになった
下の星よりも前にある星の方がなんとなく眩しく見えた
そのまま私は前を見ながら歩いて行った
途中にはさまざまな星があった
例えば、他の星見たいに光るのではなく水晶の結晶見たいにきらきらと光る星だったり、宇宙の黒よりも黒い星があったりした
水晶の星の近くを通ったときは小指の爪ぐらいの小さいなきらきら光る白い石があった
黒い星では、真っ黒な長い木の枝が落ちてきた
そうやって歩いていると人がいた
その人は背中にでかいバッグを持っていた
「君、その枝を僕にくれないか?貴重な枝だちゃんと礼はする」
バッグの人はそう私に言って来たが、これは私が集めた大切な宝物だ
私は首を横に振った
「そうかい、じゃあ、貴重な物を見せてくれた礼としてその枝と何か持っていたら加工してあげようか?」
その提案は私にも魅力的な提案だったので、首を縦に振りバッグの人に枝ときらきら光る白い石とふんわりと光る石を渡した
「特に何もリクエストが無いならランプにするけどいいかい?」
私は特にリクエストもなかったので、首を縦に振りバッグの人が加工するのを見ていた
枝を切り適正な長さにし、組み立てランプの骨組みを作り、光る石の周りにきらきらと光る石を小さく砕いて付けていったそれをランプの中に入れて固定したら、バッグの人が自分のバッグから薄い碧色をした膜を取り出しランプの周りに付けていった
「はい、ランプ出来たよ、余った枝は返しておくね、それとこういう物を手に入れたときのためにガラスの瓶を3つほど渡しておくよ」
私はガラス瓶とランプと随分短くなった枝を受け取って深いお辞儀をした
「ははっ、そんなことしなくて大丈夫だよ、俺がやりたいって言ったしね、じゃあ僕はこれでということにするよ、この広い宇宙の中でまた会えるといいね」
バックの人はそんなことを言い、物を片付け手を振りながら去って行った
私はバックの人が手を振るのに振り返しながら、歩いて行くのを見ていた
手を振るのをやめ私は、ランプを右手に持ち、枝は左手に持った
私はずっと同じ方向に歩いているし、他の方向に歩くことにした
左手に持っている枝を倒して方向を決めた
方向は右前だった
私はその方向にまた歩き出して行った
しばらく歩いて行くと、奇妙な星を見つけた
その星はぐにゃぐにゃと絶えず形と色が変化していた
色を青色系の中でも黒に近いものが多かった
私はそんな星が面白く座ってしばらく見ていた
何日かそこで見ていたら急に変化が止まり星が動いていった
それを私は見えなくなるまで座っていた
それからまたしばらくたって私はまた枝を倒して進行方向を決めた
そしてその方向に歩いて行った
次に近くで見たのは小さい砂の星だった
砂の星はそんなに光ってなくぼんやりとしか光ってなかった
そんな星に乗れそうだったので、砂の上に着陸した
座って砂を手で掬い見てみると全てが、星の形をしていた
私は砂を手で集めてバックの人に貰ったガラスの瓶に詰めた
砂の上は少し暖かく、短時間だけ寝てしまった
私は起きるとまた他のところに行くために星を降りて歩き出した
その次に見た星はもじゃもじゃだった
色はグレーよりの黒だった
近くには大量に星の蔓が落ちていた
私はその中から長いものを拾いガラス瓶に括り付けた
そうして、ガラス瓶をネックレス見たいにして首から掛けた
そうやって、少女は歩いて行きながらたまに宝物を拾い宇宙での旅を続けて行った
とある少女が旅をする話 蒼白な霧 @mekiti
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