吸魂ロボット

@hayaf

第1話

 お父さんの親友が新型ロボットが開発した。そのロボットはエネルギー不要で知能や外見を人間から模倣出来るらしい。ロボット好きなお父さんはそれを聞いてモニターになりたいと提案をした。


 そうして我が家にロボットが加わった。外見はのっぺりとしたマネキンのようで私はあまり好きじゃない。


 そのロボットはおばあちゃんの介護を任された。それを聞いて私はホッと息を吐く。おばあちゃんの介護の手伝いをする機会が減るのは嬉しい。何故と問われれば、おばあちゃんが嫉妬深いからだ。


「あぁ、妬ましい。お前の若さが欲しい」


 それが私と接する時の口癖でおばあちゃんのことはとても苦手。理不尽に怒鳴られる事もあった。だから、ロボットの介護が上手くいけば良いと思う。


 それから数ヶ月、介護は今のところ順調みたい。最初はぎこちない動きで心配したけど、回数を重ねるごとに安定して、今では太鼓判を押せる程の熟練だ。


 


 さらに1年が経ち、おばあちゃんは死んだ。老衰という診断だ。前まではあんなに元気だったのに不自然なほどの早さで衰弱していった。


 それから、ロボットもマネキン人形からおばあちゃんの姿に変化していった。接した人間の姿を学習していくという話だけど、私は少し怖いと思う。ロボットなどとは思えないほどにリアルで、まだおばあちゃんが生きているのではないかと錯覚するほど。性格もおばあちゃんと似ている。少しだけ、嫌味がふえた。


 おばあちゃんが死んでからというもの、そのロボットは私を付き纏うようになった。私は気味が悪かったのでお父さんに止めてもらうよう頼んだけど、それくらい良いじゃないかと流されてしまった。私も介護では助けられたから強くは反対できなかった。今では、渋々同じ部屋で過ごしている。


 あぁ、あとね、この前ロボットに変なことを言われたんだよね。


「あぁ、妬ましい。お前の若さが欲しい」


 ほんと、おばあちゃんみたい。

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