第5話
厄介なことに
近くのコンビニが
改修工事を始めたせいで、
わざわざ
表通りにでていかないといけなくなった。
改装中という張り紙が書かれ、
プラスチックのシートで覆われたコンビニを
横目に通り過ぎる。
あーぁ。
アスファルトに擦れる
自分の足音を辿りながら
少し先にある
この辺で一番の繁華街と言われている
賑やかな通りに出た。
蛍光看板がひしめき合い、夜が老けても尚、
音と光が飛び交うこの場所には、いつも通り
灯りを求めていろんな人間が集まっていた。
「おにぃさぁ〜ん!三万だけどどう??」
キツイ香水を漂わせながら近づいてくる
汚い金髪の女達。
その臭いに反射的にえずきそうになるのを
我慢しながら通り過ぎる。
「........。」
「「えー無視〜??気〜悪ぅ〜」」
いや気悪ぃのはこっちのセリフだよ。
そう思いながら顔をあげると、
向かいにある雑居ビルの前には
交差する人の中に立ちすくむ無数の人影。
それは意味ありげに周りを見渡しながら
お互いに声をかけるタイミングを
伺っているような、救いようのないやつら。
ドンッっ
「いってぇーなあ?おい、まてよオッサン」
で、おきまりの少し肩がぶつかっただけで
突っかかってくる礼儀もくそもない少年
(はぁ。)
うるせえ蛾のような奴らで
溢れかえっている、この場所。
目の前でたち止まり
ガンを飛ばしてきているクソ餓鬼に
聞こえるか聞こえないかくらいの声で
ため息をつき、俺は、重たい顔を上げた。
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