虚像の自分達へ

虚像さん

0 正解なんてない

そこは“夢”で形成された場所。

外部の干渉を感じないようにしている、

歪んだ場所でもある。


「おや、なんの偶然か

客人が迷い込んだようだ。」


辺り一面白い空間に響いた声に

アナタは目を覚ます。


「今は何時か分からないがこんにちは。

私(ワタクシ)は“灯火”(トモシビ)と

言うものだが……はて、おかしいな。」


そう言って“灯火”は

アナタの身体をじっくり見てきた。


「客人よ、貴方は何処から来たのかな。

見たところ貴方は私ではないようだが。」


意味がわからない、

というアナタの顔を見かねて

“灯火”は説明をはじめる。


「客人、貴方と私が今居るのは

意識の空間みたいなものだ。

分かりやすく言えば、脳内の世界かな。

ここは私の元となる本体の空間だが、」


“灯火”はアナタを指差し、

続けて述べる。


「雰囲気も意識の底も全く違う者である

貴方がここにいるから

ただ、疑問に思って少し問いただけ。

別にどうこうはしないよ。」


アナタは以前のことを思い出そうとするが、

全く思い出せそうにない。


「客人、私でよかったら

貴方を元の場所へ戻す手助けをしてあげよう。

私は立場上、暇人だからね。」


アナタは“灯火”という協力者の元、

元の場所へ戻ることになった。

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