第4話
……疲れた。
汚れた壁に背を預け座り込む。
もうびしょびしょだ。
今さら、お尻が濡れたところで。
「寒いなぁ……」
呟いて自分の体を抱きしめ縮こまる。
1月の寒空。
これが雪じゃなくて良かったと喜ぶべきなのだろうか。
後2ヶ月とちょっとで高校三年になるんだけど……。
学校には通えるのかな?
卒業出来なかったら、中卒で就職が大分不利になる……。
おもわず仰ぎ見た空。
目に雨が入るのも構わず見上げた空は、鉛のような色だった。
そしてその空と一緒に目に入ったのは、5階建てのビルの屋上。
柵が……ない。
上がれる……かな?
いけない考えが頭を過る。
あそこから飛び降りれば、楽になれるだろうか?
もう何も考えないで……
愛されない自分に失望し続けることもなくなり楽に。
今までにない程、激しく動く感情に、吐き気が込み上げてくる。
「うぇっ!!うっっ!!」
胃には何も入ってなくて、胃液だけが出た。
惨めで自分が情けなくて……膝を抱えた、その時
「「おねーさん、どうしたの??」」
「っっ!?」
幼い声がした。
おねーさんって……私?
顔を上げると
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