ヘブン・ブリッジ

霞 芯

第1話 第三次世界大戦

 西暦 2035年


 世界は2030年に起きた、第三次世界大戦により、

壊滅的な破壊を負った。

 それは、一発のICBMから始まり、核の雨が世界中を覆い尽くし、壮絶な被害者を出していた。

 そんな中、比較的に被害が少なかった旧、日本国を中心としたアジア地域に生き延びた人は集まった。


 日本であった〝場所〟に、旧利根川を境に、北にロマンティノ共和国と南にアンダルカン帝国がそれぞれ、領土を広げていた。


 各国とも、第三次世界大戦の教訓などなかったかのように、軍備を整え睨みあっていたが、それ程緊張感が高い訳ではなかった。

 そんな中、両国を悩ませていたのは、暴虐なテロ組織、〝POSW〟の存在であった。


 三条 聖さんじょうひじりは、アンダルカン帝国の対テロユニット、VOXの分析チームのリーダーであり、この物語の主人公である‥


 アンダルカン帝国 最前線都市 東京


 朝、6時 


 三条 聖は、暗闇の中に降り注ぐ朝日により、目を覚ました。

それは、妻、三条 彩夏さんじょうあやかがカーテンを開けたからであった。

 彩夏は、30歳になったばかりで、27歳の聖より歳上で、まるで〝教師〟のように聖に接していた。

 「聖!起きなさい!仕事でしょ!POSWがいつ襲って来るか分からないのに!そんなんじゃサブリーダーの永田さんに追い越されてしまうじゃない!」

そう言って、聖の布団を剥がした。

 「わかった!わかりました!」そう言ってベッドから起き上がる。

「朝食出来ているから、食べて!」と彩夏は寝室をでた。

 聖は、身長180センチの身体で、痩せ型である。

tシャツにスウェットのいでたちで、立ち鏡の前に立つ。

 「少し、痩せたな‥」そう言って、自らの体型を確認する。

 聖は、気になっている首の後ろに出来た〝デキモノ〟を触った。

日に日に大きくなる〝デキモノ〟は痒みかゆみをともなった。

 聖は、痒さに耐えられなくなり、爪で引っ掻いた。

中から、うみと共に何か、硬い物が出てきた。

 「何だ⁈」聖は血が流れる首をティッシュで拭き、その〝硬い物〟も同時に拭き取る。


 その硬いものは、まるでルビーの様な〝石〟であった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る