第26話

「よく撮れてるだろ?着飾ったり、キメ顔をしてるお前より…こんな風に自然体で笑ってる胡桃を撮りたいから。だから拒んだだけで…お前を撮りたくないとかそんな理由で断ったわけじゃない」




大切なものを扱うように、アルバムのページを捲っていく由吏。その眼差しはまるで愛おしいものを見るような瞳で…胸がドクンと高鳴る。




「……確かに、パンフレット用に掲載する写真を撮って欲しいと頼まれたが。それが制服モデルの生徒の撮影なんて知らなかった」



「…本当に?」



「知ってたらちゃんと、胡桃に相談したよ。」




知らなかった事実がどんどん明かされていく。その度に胸が焼けるように熱くなり…由吏への好きという気持ちがどんどん募っていく。




「引き受けたからには…ちゃんと撮影には参加するつもりだけど。頼まれたから撮るだけで、俺が望んで撮るわけじゃないから」




さっきまでとは違う。ちゃんと先に本心を聞かせてくれたから…理不尽なことを言われているとは思わない。

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