ウマ娘プリティダービー

@Silence1994

第1話 夢の原石

ウマ娘―

彼女たちは、走るために生まれてきた。

時に数奇で時に輝かしい歴史を持つ別世界の名前とともに生まれ、その魂を受け継いで走る。

それが、彼女たちの運命。


ある者は、自身の可能性の果てを求め、

ある者は、追いかけ続けた存在自らを示そうとし、そしてある者は、自らこそが最強だと宣言するために―


この世界に生きる彼女たちの未来のレース結果は、まだ誰にも分からない。

彼女たちは走り続ける。

その瞳の先にある、ゴールだけを目指して。


出走の時を告げるファンファーレが鳴り響くと、満場の客席からドッと歓声が湧き上がった。晩冬、12月を跨ぐ有馬記念。


ゲートが開くと同時に、ウマ娘たちが一斉にスタートした。「この有馬記念の見所はなんと言っても、TTG(トウショウボーイ)(テンポイント)(グリーングラス)の三つ巴の大接戦!」


【※一部省略】


レースも終盤、残りわずか500m(2.5ハロン)。おっと!トウショウボーイが先行していたが、ここでグリーングラスが差せるか?!

それと同時にテンポイントも追い込んで来ている、そして100m(0.5ハロン)に迫り、ついにトウショウボーイを差しきり1着グリーングラス、2着テンポイント、3着トウショウボーイ


鳴り止ましい歓声と共にポツンと小さく、淡い金色?いやオレンジ色の髪の毛のウマ娘が立っていた。よく見ると、目をキラキラ光らせてレースを見ていたようだ。


私の本職はトレーナーだ。私には夢がある、ウマ娘と共に凱旋門という大舞台をくぐり抜けることだ!そのためにはまずスカウトをし、ある程度ウマ娘を集めなければならない、私はあの娘をスカウトしようとしたがどうしても試金石には思えないため現状維持を試みた。


すると、その娘は思いっ切りどこかへ走り去ってしまった。私にとっては「どうでもいい、気にすることではなかろう」と心の中で思い、次のレース観戦へと試みた。


第12レースまで終わり、目疲れてしまった

私は中山競馬場の門を出ようとした瞬間……


英気ある走りっぷりのウマ娘が私の真横を通過して行ったのだ。「なんだ?!今のは…」と

目を凝らして見るとそれは、さっき出会ったオレンジ色の髪の毛のウマ娘であった。


私は咄嗟に声に出して「ちょっと待ってくれ!」と言い放った。するとその娘が

数百m離れた場から振り返り、走ってくるのが見える。その目付きは、あたかも万里一空を貫き通した眼光のように見える。


ウマ娘「どうかなさいましたか?」

私「君、名前は?」

ウマ娘「サ...サイレンススズカです。」

私「サイレンススズカかぁいい名前だ!私が今見た限り君には凄い才能があると思える、ぜひスカウトさせて欲しい。」

サイレンススズカ「え?!私をですか?…」

私「そうだ、君がいいんだ。今すぐにでも、練習メニュー組んで一緒に高みを目指したいと思っている」

サイレンススズカ「ええ、分かりました。では私は残りの走り込みがあるのでまた明日お会いしましょうトレーナーさん………」


私は勘違いをしていたのだ、あの娘(サイレンススズカ)を見た目だけで判断していた。だが

サイレンススズカには他のウマ娘にはない物が

ある。それは―――










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