第7話後編:暴食の遊戯
黒いメッシュが入った赤い長髪と赤い目の中に黒い瞳、鋭い犬歯、豊満な胸を持つ白いドレスの少女がゴルファーを模した
「この仮面ゴルファーリョウから逃げられると思うな!」
「ふざけんな! ゴルフクラブを凶器にして、何がゴルファーだ! 完全に殺人鬼と変わらないじゃない!」
逃げる白いドレスの少女は路地裏の行き止まりに迷い込み、仮面ゴルファーリョウに追い詰められた。
「観念しろ!」
「嫌、待って! もう少ししたら私の姉妹が目覚めるから!」
ゴルフクラブ型の剣が彼女に振り下ろされようとした瞬間、白いドレスの少女の周りに赤い蝙蝠の群れが包み込まれ、ポニーテールで髪を纏め、黒い甲冑を纏った赤いドレスを来た姿【ワイトフォーム】、またの名を『ドラキューレ五世』に変貌し、真紅の大魔剣【ブロードトーカー】でゴルフクラブ型の剣を真っ二つに叩き斬った。
「なっ、何だ!? 貴様の姿は!?」
「我が名はドラキューレ五世、誇り高き吸血姫騎士だ! よくも我が姉を痛ぶってくれたな! 騎士道に乗っ取り、貴様を…」
次の瞬間、彼女の周りをショッキングピンクの蝙蝠の群れが包み込み、ツインテールで髪を纏め、フリル付きゴスロリ調の黒いフードとショッキングピンク色の魔法少女服を着た姿【リッチフォーム】、またの名を『ドラキュリーナ五世』に変貌し、(魔法少女ステッキを杖サイズにしたような)ショッキングピンクの大魔杖【ブロードマジカラー】からショッキングピンクの血弾を放ち、仮面ゴルファーリョウの頭を吹き飛ばした。
「や〜ん! ちょっと残酷で、ごめんねぇ! 私、ドラキュリーナ五世! 世界一可愛い吸血鬼の魔法少女なの! よろしくね!」
ドラキュリーナ五世がぶりっ娘ぶって、可愛げさをアピールすると、急に怒ってる表情をした。
「ドラキュリーナ! よくも、我が騎士道の邪魔をしたな! 許せん、折檻してやる!」
「もぉぉ、せっかくの可愛い顔を台無しにしないでよ、ドラキューレお姉ちゃん! 私の晴れ舞台だから、黙っててよ!」
「二人共、一旦落ち着いてぇ!」
三つの貌に変化し分ける彼女、本名、『
徐々にやられゆく仲間を見たスポーツ
「ひっひぃ!? もう駄目だ! 逃げてやる!」
「この仮面ボーラーストライク様が二度とボーリング出来ないのは避けるべきだ! 戦略的撤退だ!」
「この私、仮面テニサーウィンブルが直接、手を出さないことを光栄に思いなさい。ごめん、遊ばせ!」
そんな負け惜しみが許される筈もなく、 両肩に斧を、頭に大剣を、腹には槍など、身体中に武器が突き刺さった巨漢の姿で、青いバラついた髪と瞳、青く黒ずんだ肌を持ち、青いヴァイキング姿のドラウグル(ヴァイキングのゾンビ)型ハイゾンデッド『ラグナロ・ブローマン』と、オレンジの肌のグールの姿で、凝り固まった血で染めた赤黒いチャロスーツの上に黄色を基調とし、髑髏や骨の衣装をあしらったポンチョを羽織り、黄色い髑髏型のソンブレロ(メキシコのつば広帽子)を被ったグール型ハイゾンデッド『Mr.ムエルテ』が逃げる彼らの前に現れた。
「おうおう、
「そうそう、カーニバルはまだ終わりませんよ! 行きますよ、Mr.ラグナロ!」
「よし来た、任せやがれ、ムエルテの若造! おりゃあぁぁぁぁ!!」
ラグナロは両肩にある斧を振り回して、回転しながら、竜巻のように進み、Mr.ムエルテは赤黒い煙を発し、その竜巻に纏わせ、赤黒い竜巻で残りの
「ぎゃあぁぁぁぁ、この俺のボーリング球を掴む為の手がぁ!?」
「私の腕が、脚が、いやあぁぁぁぁ!?」
「スポーツ
遂にはスポーツ
その光景を見たディナは愉快に笑いながら、心を躍動させた。
「キャハハハハハ! 楽しい、楽しいわ! やっぱり痛ぶってから同胞に変えるのが一番ね! 特にラグナロおじ様とムエちゃんの合体技は最高ね。」
「Hoooo! Ms.ディナに褒められましたよ、Mr.ラグナロ!」
「ガハハハハハ! 身体中が少しピリつくが、まぁ、儂も楽しかったぞ!」
しかし、ディナはすぐさま、表情を気だるげにし、顔を曇らせた。
「飽きた、他のハイゾンデッドたちより飽きっぽ過ぎるのが私の難点ね! 前の研究員からの意地悪な仕様かしら。」
「お嬢様、気を確かに。楽しいことなどこの世界にはまだ溢れているではないですか。」
「お嬢様の飽きっぽさを何とかしないと、セールスマンの冥利に尽きませんね。」
「ディナサマハマダアソビタリナイ! ワタシモドウイケン!」
「まだ斬り足りないぜぇ! 隣町まで襲おうか!」
「無闇矢鱈に戦火を広げるのは武士道に反するわい。」
「不老武士の言う通りだ、我が騎士道に…えぇ〜、いいじゃん別に、人類の一人や二人くらい…また、割って入ったな、この愚妹がぁ…ふっふ〜ん、駄目駄目なお姉ちゃんは大人しくした方がいいよ…何だと! …何おう! …二人共、疲れた身体で喧嘩しないでぇ〜!」
「相変わらず、我々、ハイゾンデッドは素晴らしい色を出してますねぇ! これぞ、終わりなき永遠のカーニバル!」
「全く、今度こそはディナの嬢ちゃんに飽きさせない得意技を考えなくてはな!」
「さぁ、冥府の女王、我らに黒き太陽の神託を!」
ディナの元に集う九人のハイゾンデッドは信頼と羨望を彼女に向け、個性的な彼らの期待に答えた彼女は高らかに無邪気に笑いながら答える。
「さて、我々が宴を最高の
「ゾンデッド・フォーエバー!」
彼女達の名は【デウスデス・コーポレーション】。
ゾンデッドと名乗る不死の新人類を束ねた女王の下で世界征服という
世界中の生命の尊厳と希望を喰らい尽くし、愉悦する姿から暴食の称号を得た
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