名状し難いエッセイ

蜜柑桜

第1話

 もしあなたの大事な人が、あなたの名前を忘れてしまったら、あなたはどうなりますか。


 このエッセイを書くのは、とてもためらいました。

 書くのは私の視点でしかなく、書いていいのかも分からない。

 書いたら楽になるやもしれず、後悔するやもしれず、自分勝手かもしれない。

 話のネタにするようで心苦しくもあり、しかし現実の家族や友人には話せず、抱えているのも息苦しい。

 消すかもしれないし、書き上げられるか分からなかった。

 見下される方もいるかもしれません。愚かな親不孝者だと。

 呆れというには甘すぎる、大馬鹿者の話です。

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