第2話 お友達
僕、田中真悟は、6さいになった。
来月『しけん』を受けるって、パパもママもそわそわしてる。
「AIさんの質問には、お友達の太郎君みたいに答えるのよ。あなたの考えているままを言ったら、一緒に暮らせなくなるからね」って。
どうしてなんだろう?
AIさんは正しいって言ってたよね。
なのに僕は嘘をつくの?
嘘をついていいの?
でも、やっぱりパパやママと離れるのは嫌なので、僕は、誰にも内緒で嘘つきになることにした。
そして、『しけん』の後。
一番の仲良しだった理子ちゃんが居なくなった。
理子ちゃんのパパとママは、最初から理子ちゃんなど居なかったように。
理子ちゃんと仲良しだった僕の事も忘れちゃったように。
知らないおじちゃんとおばちゃんになってしまった。
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