第10話 温度感覚オレンジの明るさ

 温度感覚を司るオレンジのハルカは、8人の中でも陽気で快活な性格で、常にチームを盛り上げる存在だ。彼の力は、周囲の温度を感知し、自在に操ることだが、それ以上に彼の笑顔と明るさが、仲間たちにとって心の支えとなっていた。


 ある日、敵との戦いが激化し、仲間たちの士気が大きく低下する。特に、味方が重傷を負った場面で、チーム全体がピリピリした空気に包まれた。




 「こんな時こそ笑って行こうぜ!」ハルカは軽い調子で声をかけるが、他の仲間から「ふざけてる場合じゃない!」と厳しく叱られる。


 それでも、ハルカは諦めず、戦闘中にも冗談を交えながら仲間を励まし続けた。「大丈夫さ!俺たちならやれる!温かい気持ちを忘れなければ勝てる!」その言葉に、最初は反発していた仲間たちも少しずつ笑顔を取り戻していく。




 戦闘の終盤、仲間たちが敵の圧倒的な攻撃に追い詰められる中、ハルカは自分の無力さを感じ始める。「俺の冗談なんかじゃ、この状況は変えられないのか……?」


 しかし、その時、彼の胸に宿ったのは、仲間たちのために何かをしたいという強い思いだった。「俺がやるんだ!みんなを温めて、勇気を取り戻させる!」彼の体がオレンジの光に包まれ、温度を操る力が真の形で覚醒した。


 温かいオーラで仲間たちを包み込み、疲れを癒し、再び戦う力を与えたハルカ。その力で敵を退け、仲間たちを救った。




 戦いの後、ハルカは仲間たちに語る。「俺の明るさが、みんなの力になるなら、これからも俺は笑っていくよ。」その言葉に、仲間たちは感謝と信頼の気持ちを込めて微笑み返した。


 ハルカの覚醒は、チーム全体に温もりと希望を与えるものとなり、次の戦いへの道を照らした。

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