第9話 聴覚スカイブルーの覚醒

 聴覚を司るスカイブルーのケイは、8人の中でも特に優れた聞き分けの力を持つ。彼の耳には、仲間のささいな声の変化や、遠く離れた場所の音すらも届く。その能力を活かして、ケイは戦闘中に仲間たちに指示を出し、状況を有利に運んできた。


 ある日、敵が仕掛けた大規模な作戦に直面することになる。各地で起こる小規模な攻撃の裏に潜む、本命の作戦を察知したケイは、仲間たちを導こうとするが、次第にプレッシャーを感じ始める。




 「こっちだ!みんな、敵の本隊がこの先にいる!」ケイの指示で仲間たちは急行するが、そこに待ち受けていたのは敵の罠だった。追い詰められた仲間たちは、ケイの判断を疑問視するようになる。


 「ケイ、本当にこれで合ってるの?」リーダーのアオイが問いかけるが、ケイ自身も自信を失いかけていた。「……たぶん……いや、きっとこれが正しい道だ!」


 しかし、敵の攻撃がさらに激しくなる中で仲間たちが次第に分断され、ケイは初めて自分の言葉の重さに押しつぶされそうになる。




 仲間が追い詰められる中、ケイの耳に仲間たちの必死な声が届く。「ケイ、どうすればいい?」「頼む、助けて!」その声が彼の心を突き動かす。「僕は聞く力を持っている……みんなの声に応えなきゃ!」ケイは自らの能力を解放し、遠くの声や小さな音をすべて拾い上げる。


 その瞬間、彼の体がスカイブルーの光に包まれた。音をすべて把握し、敵の動きと罠の仕組みを完全に読み解いたケイは、的確な指示を出し、仲間を窮地から救い出す。




 戦いが終わった後、ケイは仲間たちに頭を下げる。「僕の判断ミスで危険にさらしてごめん。でも、これからはもっと慎重に、みんなの声を聞いて導いていきたい。」仲間たちはケイの成長を認め、彼の言葉に信頼を取り戻した。


 ケイの覚醒は、チームの中で言葉の力の重要性を示し、彼らを次の戦いへと導く原動力となった。

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