第6話 方向感覚ゴールドの導き
次なる目的地は、敵によって閉じ込められた人々がいると言われる古代の遺跡だった。だが、霧が立ち込めるその地は、方角を見失いやすい危険なエリアだった。
「ここは私の出番ね。」と方向感覚を司るゴールドのカナデが自信満々に言った。彼女は本能の赴くままに行動するタイプで、普段から自由奔放な性格だが、その感覚の鋭さは仲間たちも一目置いていた。
「とりあえず私についてきて!大丈夫、絶対迷わないから!」とカナデが先頭を歩き出す。
「頼むから変なところに行かないでくれよ……」とアオイが呟くが、カナデは笑顔で振り返るだけだった。
道中、カナデは軽快に進みながらも、周囲の状況を的確に判断していく。迷路のような遺跡の中で、彼女の直感が次々と正しい道を示す様子に、仲間たちは驚きを隠せなかった。
だが、遺跡の奥深くに進むにつれ、敵の妨害が激しくなり、カナデの進行も妨げられるようになる。閉じ込められた人々を救うために焦るカナデは、少しずつペースを乱し始めた。
「なんでこんなにうまくいかないのよ!」と苛立ちを見せるカナデ。だが、リナが静かに声をかけた。「カナデ、自分のペースを大事にして。あなたの力は、焦らずに使うことで本領を発揮するわ。」
その言葉にカナデはハッとした。「……そうね。ありがとう、リナ。」
落ち着きを取り戻したカナデは、再び直感に従って行動を開始した。そして、閉ざされた扉の向こうに人々がいることを感じ取り、全員を引き連れてその場所へ向かった。
「ここよ!この扉の向こうに人がいる!」とカナデが叫ぶ。全員が協力して扉を開け放つと、中には疲労波で衰弱していた人々が横たわっていた。
「やった……みんなを救えた……!」とカナデは安堵の表情を浮かべる。すると彼女の体が黄金色に輝き、方向感覚を司る力が覚醒した。カナデは自分の力がただの直感ではなく、仲間を導く大切な能力であることを実感する。
「私、これからはもっとみんなを信じて導くから。自由奔放でも、一人じゃないってわかったわ!」
カナデの力によって救われた人々は、感謝の言葉を口にした。8人の中でも、カナデへの信頼がさらに強まり、それぞれが自分の力を生かして役割を果たす大切さを学んだ。
「さあ、次の目的地に進もう!きっと私たちなら乗り越えられるわ!」とカナデが笑顔で言う。その姿に、全員が力強く頷いた。
彼女の冒険心はチームの原動力となり、8人はさらに強く結ばれるのだった。
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