本とニンゲン殺戮事件

沼津平成

プロローグ

「これ、パソコン……だよな」


 と検察官はいった。彼ら2人は今度の事件の証拠を集めていた。そんな彼が被害者の家宅捜索中に見つけたのが、この一台のパソコンだ。


「中に重要な証拠がないか、見てみようぜ」


 今度は、別の一人がいった。検察官は意を決してパソコンを開け、押収してあったメモからパソコンのパスワードを入れた。

 中にファイルはほとんどなかったが、唯一、WORDの書類があった。

 縦書きの原稿のようなもので、エッセイなのか小説なのか、どっちかなのかわからない内容だ。そして、「著者」とある部分には、被害者の名前があった。


「読んでみるか?」


 と最初の検察官がいった。もう一人がうなずいて答えた。最初の検察官はマウスをクリックし、ファイルを開いた——

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