産み出すことの苦労話〜小説、そして創作論〜

雨宮 徹@クロユリの花束を君に💐

カクヨム2年生の悩み

 私がカクヨムを始めたのはちょうど一年前です。それまでは公募勢でしたが、自作が下読みにしか読まれないことの悲しみから、カクヨムを始めました。



 そんな私ですが、書くのは基本的にショートショートです。長編を書くだけの体力がないからです。しかし、ショートショートならではの悩みとして、オチで読者をアッと驚かせる必要があること。どうすれば良いオチが作れるか。その研究の末に、創作論を書くことにしました。



 私は他人を出し抜くのは卑怯な気がして苦手です。もちろん、ライバルを出し抜くのは立派な戦略の一つです。否定はしません。むしろ、それが正常だと思います。



 そんなこともあり創作論では、自分の手の内を明かすことにしました。しかし、創作論にも独自の悩みがあります。それは、内容が読者のためになっているかどうか。題材探しも一苦労。「埋もれずに、読まれるために」がテーマですから、必然と初心者向けになります。



 初心者のための創作論を書いていると、自分のためにもなります。「あ、これ自分もやらかしているじゃん」と。ですから、創作論には自戒も含まれています。ここまでは良いとして、問題は小説を書くにあたって、創作論の内容を意識しすぎることです。「こう書けば、書きたいことを書きつつ、読まれる」というのは分かります。しかし、実践は難しい。



 なんというか、創作論を追求するごとに、真剣に小説と向き合うため、「これはダメだ」「うーん、イマイチ」となりがちなのです。理論に囚われて、完璧を追い求めてしまうのです。アイデアやネタが浮かんでも、自分で却下してしまう。分析が得意であるが故の苦労です。



 カクヨムで上位の作品は、出だしや展開が面白いから評価されています。これらは、研究の末に産み出された傑作です。ランキング上位にならずとも、面白い作品を書きたい。そう思いながらも創作論の方が筆が進むのです。困ったものです。

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