第5話 思ってたのと違う

◇ 


……


……


スケルトン_フィーチャリング_マリノ・マリナ


なんか思ってたよりイマイチ?


「マリナどう思う?」

『正直な所、発想は良いと思ってるけど人型に拘る必要無い気がする』


私もそう思った。


スケルトンを芯にして【軟体】【血液操作】のコンボは想定通りの性能をしたけどそれまでだった。


「律儀に人として戦う必要無い事に気付いたわ」

『腕を何本も増やしたり手を伸ばしてリーチ稼いだり色々と人だと出来ない戦法を取るべきだと思う』


私達はモンスター何だしねぇ


人の真似なんてやる意味は無い


けれどここである問題が立ちはだかってる。


私の体積が全然増えてないから、やりたい事に対して体積が全く足らない


一週間前より苔や選別落ちしたスケルトンの残骸を食べて過ごしたから気持ち、本当にちょっとだけ増えたと思う。


それでもスケルトン一体を全部受肉させる事すら出来てない。


全然足らないよ。


「ここはプランBに変更ね」

『そもそもプランA知らないけど?』


プランBは今から考える。


んーー


……


……


「取り敢えず上層目指そうか変化あるかもだし」

『さんせーさんせー!』


サクッとゴーレムから逃げスケルトンは訓練がてら受肉状態で蹴散らし一層上ったよ。


「敵は弱くなってるよね?」

『スケルトンですら歯応えを感じないね〜私達やっちゃいました?』

「その台詞早いよ!」


私達は確実に強くなってるけど理想は高い。


RPGの効率プレイも好きだけど雑魚狩りしまくってレベル上げてボスを倒すのも好きなタイプだったし


ん?


……


……



この感じ……知らないタイプのモンスターが来たかな?


【触診】で地面に伝わる振動から見るにゴーレム系では無いのは分かる。


聞き過ぎて飽きて来たスケルトンの振動とも違う。


それに複数個体かな?


集団戦する頭の良さがあるタイプと見た!

ちょっと楽しみ〜


ワクワク


天井に貼り付いて気配を殺し駆け抜けて行くだろう集団に肉糸を垂らし【触診】


……


……


「またスケルトンかよ!」


そう、スケルトンだった。

けど今回はスケルトン・ドッグ!


お犬様だよ!

私は猫派だったけど今日から犬様派に鞍替えします!


何故なら

『人型のスケルトンより間違いなく脆いけど四肢動物で小型な分、私達の求めた芯材だと思う』

とマリナが言ったから


小型と言ってもシェパード位はありそうなスケルトン・ドッグ


「骨が脆いなら本数増やすか人型スケルトンの骨と入れ替えれば良いね」


私の【軟体】を活用出来る大きさかつ四肢動物の速さを兼ね備えたまさに求めし存在!


『「早速狩りまくろう!」』



ふう……


狩りに狩りまくった。

人型スケルトンもスケルトン・ドッグも大量大量!


いい汗かいたね〜

気持ち的にそんな感じだよ。

爽快感と充足感!

これが肉体労働の楽しみって奴だね!多分!


『早速組み合わせよ〜』

「おうよ!」


スケルトン・ドッグバラして大きさ別に振り分ける。


お目当ては犬歯だよ!

スケルトン・ドッグは一匹に二本デカい犬歯があるからそれを活用する

目指すは凶悪な乱杭歯ね

魅せ牙だよ。噛みつき攻撃なんてリスク高そうな攻撃やりたく無いし。


チクチクチクチク


お次は攻撃の要となる長い長い尻尾ちゃん!

人骨の脊柱を複数繋げて長くしたよ。

私のお肉で包むのは非効率的だから脊柱の中心に肉用の穴を通した。

【捕食】って地味に便利!

やろうと思えば任意な箇所だけ取り込んで加工出来る事に気付けたのは大きい。


加工と選別が終れば後は組み合わせ作業に入る。


プラモデルじゃないから骨を組み立てるなんて作業は出来なかったよ。


パーツを肉で取り込みながら必要な場所に配置して行く!


くーーーッ!!

このガチャガチャして噛み合わせが最高に悪い乱杭歯は本当に格好良いと思う! 


頭悪いデザインでロマンあるなぁ


お次は尻尾ちゃん

これは簡単だったよ。脊髄連結して先にスケルトンの両手を付けるだけ


この尻尾手は多目的フレキシブルアームとして使う予定

振りかぶって鞭にもなるし尻尾先で剣も持てる。


脊髄の椎間板を切り離してリーチを伸ばし間合いを狂わせる事も可能にした!



満足満足超満足!


「いやー我ながらセンス光る物を作り上げてしまったな!」

『無駄な部分多いけどこの無駄が良いんだっけ?』

『私は良く分からないけどマリノが嬉しそうだから私も嬉しい!』


作品には名前が必要だと思う。


何にしようかな〜


「マリナは良い名前候補あったりする?」

『私が付けるの??じゃあパグズとか?パグ好きだし』

「それで決定!!」


そう言う感じで私達の芯材となる

スケルトン・ドッグ_カスタム[パグズ]

が完成した!


早く眼が見える様にならないかな〜

この格好良さを目で見たい!











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