第3話 愚かな自称神

俺は今日ずっと身体を鍛えていた。

そんなことしてるから土曜日あっという間に過ぎる。

健さんも帰って来たようだ。

だがお客さんも居るようで客間に入って行く。

俺を健さんが呼ぶ。

俺が客間に入ると白い袴を履いた男性が居た。

龍介「健さん何でしょうか?」


健「この方は内海神宮うつみじんぐう宮司の勝野雅之かつのまさゆきさんだ。」


内海神宮はここら辺で一番大きく由緒正しい神社で天野グループも初詣で訪れる。

雅之「勝野です。今日はご相談があってきました。」


健「ご相談とは何でしょうか?」


雅之「最近、内海神宮に賽銭泥棒が出まして困っております。」


健「賽銭泥棒とは罰当たりな。対策はしてないのですか?」


雅之「今まで有効な対策を取れていないんです。」


龍介「失礼ですが、防犯カメラに犯人の顔が写っているのではないでしょうか?」


雅之「そう思われるかもしれませんがそれが出来ないんです。市に問い合せたところ景観を損なわない場所以外認められないと答えられたんです。」


健「そうだったのですか。でも要件は何ですか?」


雅之「可能であれば夜通し監視する人員を出して欲しいと思いまして。」


健「なるほど。うちの会社も初詣で訪れているし分かりました、人員を2名派遣します。」


龍介「誰を派遣しますか?」


健「そうだな。柳と龍介で良いだろ。」


龍介「俺と柳さんですか。わかりました。」


俺は客間を出て廊下にいた柳さんに話しかける。

龍介「柳さん神社での仕事です。」


有紀「ふぅん。私と15番で行くんだよね。いつから?」


龍介「そういや聞いてなかったな。」


俺が聞きに戻ろうとすると健さんが出てきて言った。

健「今日からだ。今すぐに準備して行け。」


龍介「無茶言いますね。まぁ今から文句言ってもどうにもならないんで行きますよ。」


すぐに自室に戻りスーツを着る。

このスーツ防刃ながら動きやすい。

腰にを付ける。

俺は自室を出て車の後部座席に乗り込む。

柳さんは助手席に乗った。

すると咲妃さんが風呂敷包みを2つ持って来た。

運転手が左側の窓を開けると風呂敷包みを渡された。

咲妃「今日は帰って来れないって聞いたからお弁当作ったから食べてね。頑張ってね。」

同様に柳さんも受け取る。

そして黒塗りの高級車は内海神宮に向かって走って行った。 

車内で雅之さんが口を開いた。

雅之「君たちは身体を張ることもあるのかね?」


龍介「俺はそんな経験したことないですけど。」


有紀「命がけな仕事なのに変わり無いですから。」


会話している内に内海神宮に到着する。

車を降り俺と柳さんは雅之さんを先頭に社務所に入っていく。

そこには来客用の布団が用意されていた。

雅之「少し早い気もしますが夕食にしましょう。」


すると雅之さんは鞄から弁当箱を出した。

龍介「愛妻弁当ですか?」


雅之「えぇ、恥ずかしながら。」


龍介「良いじゃないですか。そう言うの憧れます。」


雅之「最近の人はそういうのにはあまり興味がないのかと思っていました。」


龍介「夫婦生活を良くする秘訣とかあるんですか?」


雅之「そうだね。何かしてもらったら感謝して失敗したら謝る事くらいかな。」


龍介「心に刻まさせていただきます。」


俺は咲妃さんが作ってくれた弁当の蓋を開ける。

中は白米、とんかつに千切りされたキャベツそれに煮物が入っていた。

龍介「いただきます。」

俺は食べ始める。

やはり美味しい。

夕食中は誰も話すことなく黙々と食事をしていた。

俺は食べ終わると柳さんに話しかける。

龍介「俺が先に見張りしてきます。なんならずっと俺がやっても良いですけど。」


有紀「それならお願いしようかな。冗談だけど。そうそういいものあげるよ。」


そう言って渡されたのはエナジードリンクだった。

龍介「ありがとございます。では行ってきます。」


俺は社務所を出て本殿に小型カメラを仕掛ける。

一応雅之さんからは許可は取ってある。

今は5月の始めだからまだ暗くない。

それから3時間は何事も無く過ぎていった。

現在時刻22時

流石に眠くなってきたので柳さんから受け取ったエナドリを一気に飲み干す。

カフェインが眠気を消していく。

龍介(来るなら早く来い。)


すると誰も来ないはずの時間に誰か来た足音がした。

俺はすぐに本殿の柱に隠れる。

??「今日もがっぽり稼がせてもらいます。神様マジ感謝。」


その男は棒を賽銭箱に突っ込んで賽銭を取り出した。

こっからは俺の仕事だ。

龍介「はい。ストップ賽銭泥棒さん。」


??「なんだてめぇは。」


龍介「俺はこの神社から依頼を受けて来たもんだお前何してるか分かってんのか。」


??「お、俺は神だから良いんだよ。」


龍介「何言ってんの意味がわからん。じゃあなんの神なんだよ。」


自称神「そうだな。学問の神だ。」


龍介「なるほどよくわかった。そんなアホが学問の神なわけないだろ。」


自称神「舐めやがって。」


自称神は持っていた棒で殴りかかってくる。

俺はスッと躱し足払いして自称神を転ばせる。

多分会話が聞こえてたのか柳さんと雅之さんがやって来る。

有紀「こいつが賽銭泥棒?」


龍介「そうです。アホなのに自称神です。」


雅之さんが出て来て言った。

雅之「あんた何歳よ。そんなことして恥ずかしくないのか。馬鹿たれが。」


龍介(中々に鋭いこと言ったな。)


すると激昂した自称神は本坪鈴ほんつぼすずの鈴緒を思いっきり引っ張った。

するとけたたましい音を立てて落ちてきて自称神の足に落ちた。

自称神「痛い痛い早くどけろ。」


雅之「バチが当たった。学べたな。」


すぐに警察を呼び賽銭泥棒を引き渡した。

雅之さんは本坪鈴についても被害届を出すらしい。

迎えの車が来て帰る時雅之さんが俺と柳さんにお守りを手渡した。

雅之「気持ちだけですが加護がありますように。今日はありがとう御座いました。」


雅之さんと別れ家に帰ってくる。

もう時計は一時過ぎている。

弁当箱を出しシャワーだけ浴びて部屋に戻ると俺のベッドですやすや眠る舞がいた。


これがお嬢様の弱点なんだよ。


良かったと思いましたら☆☆☆、フォロー、コメントお願いします。


次回に続く






























  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る