最近、学校1可愛いクラスメイトの妹が俺の家に入り浸っている

田中又雄

第1話 学校1可愛い女の子の妹

「先輩って、絶対童貞ですよね」と、ベッドで足をパタパタされながら、友達の妹が俺に問いかける。


「...まぁな。けど、最近の男の童貞卒業平均は18歳くらいって言われてるし、それを考えたら17歳の高校2年の俺には1年くらい余裕があるわけで...」

「いえ、私が言っているのは一生童貞では?という意味です」

「...」


 彼女の名前は北条 莉理。

学校で一番可愛い女の子である北条理乃の妹であり、なぜか最近俺の家に居座っている。


「...てか、北条は俺以外に友達いないのか?」

「先輩とは友達ではないですよ。ただの知り合いです」

「...そうですか...。まぁ、別に俺も友達居ないから人のこと言えないけど」

「いや、ちょっと。『も』ってなんですか?

私は友達居ますから、やめてくれます?」


【挿絵】

https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818093090391856246


 その割に最近めちゃくちゃ俺の家に来てるんだよな...。

家族にも余計なこと勘繰られるし、まぁ別に俺はいいんだけど...。


 ちなみに姉である北条理乃とは同じクラスではあるものの、全く話したことはないし、関わりはない。


 ではなぜ妹の北条莉理とは仲が良いというか、家に来る仲になったかというと、彼女のことを痴漢から助けたからである。


 普段は絶対そんなことをしないのだが、前の日に見ていた映画の影響で変な正義感が芽生えて助けたのであった。


 それから、同じ時間にバスに乗っていることもあり、一緒に学校に通うようになり、最近は俺の家に入り浸るようになっていた。


「...先輩ってクラスでどういう立ち位置なんですか?」

「どういうって...。別にどこにでもいるモブ的な立ち位置だよ」

「...ふーん?そうなんですか」

「てか、そういう話はお姉さんとはしないのか?」


 その話を振ると少し嫌そうな顔をする。


「...姉とはあんまり仲良くないので」


 そうだったのか。

お姉さんの方は誰とでも仲良くなれそうな性格をしているが、姉妹の関係となるとまた話が変わってくるのか。


「そうなんだ」

「先輩は姉と話しますか?」

「どう見ても関わりがないタイプだろ。話したこともないよ」

「ふーん?そうですよねー。先輩は仮に姉と関わりがあっても、無謀にも好きになって振られるまだがテンプレですよね」


 そんな軽口ももう慣れたものである。


 こんな緩くてのんびりした日々がこの先も続くと思っていた。


 まさかあんなことになるなんて思いもしなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

次の更新予定

毎日 00:15 予定は変更される可能性があります

最近、学校1可愛いクラスメイトの妹が俺の家に入り浸っている 田中又雄 @tanakamatao01

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ