妖怪相談所は今日も通常運転です
@kishima_akira
プロローグ
「だからぁ~、俺に言われても困るんだってば~」
目の前の喪服の女は、ひたすら泣き続けている。
「私はただ、ずっとそうしてきたから・・・・ただ、これからもそうしていきたいだけなのにぃ~・・・うっ・・」
――はぁ~、もぉ勘弁してくれ・・・どこもかしこも意味がわからん!
正直言って、この状況で泣きたいのは確実に俺の方だ。
「あのさぁ、見ず知らずの他人の葬式に行くことがそもそもの間違いなんじゃないかな。今は変な奴も多いから、葬式が大きければ大きい程セキリティチェックなんかもあるだろうし・・・」
女は両手で顔を覆った指の隙間から、恨めしそうに俺の様子を伺いながら、長い髪を顔に垂らして肩を震わせただ泣くばかりである。その光景が兎に角怖い。
「それでも私はっ・・・自慢じゃありませんが、今まで多くの人間の役に立ってきたんです。葬式の場で私が泣くことで家族が改めて故人への感謝や、在りし日の思い出を思い出すことができるんです・・・・うっ・・・」
――ぁあ~、ほんと、めんどくせぇっ
なぜ今、俺がこんな状況に陥っているかというと――。
それを説明するには、少し時を遡って説明しなければならない。
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