5 文明と環境

図⑨:技術による環境制御

https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/16818093089991071916


生物学において生命活動とは、

生物と環境の相互作用であるといわれます。

特に人間では、知的生活様式である文明を通して、

人間と環境の相互作用が行われます。

人間⇔文明⇔環境というかたちで起きる、

この相互作用の後半部分を説明します。


自然科学・社会工学的な技術は

自然・社会環境を制御するための手段であり、

政策はそれにより変化した自然・社会環境に対し、

経済・社会活動を適応させるための自己制御と言えます。


共用イラスト5:文明と環境

https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/16818093089818806266


かつては〝技術は自然を対象とし、

政策は社会を対象とする〟という見方が

一般的だったと思われます。

(社会を環境すなわち技術の対象と見る、

社会環境や社会工学という言葉は、

19~20世紀以降のものだそうです。)


しかし、自然科学的技術の発達により、

自然は征服・支配の対象というよりも

保護・管理の対象とみられることが

多くなりました。


また、社会工学的技術の発達により、

人間や人々を動かす技術について、

その存在を認めたうえで正しく使うことが

求められるようになりました。


一方、政策の全地球化など広域化により、

国際政策は〝他国をどう動かすか〟よりも

〝人類全体がどう動くか〟の自己制御に

近づいています。


加えて、政策の民主化など分権化により、

国内政策も〝被治者をどう動かすか〟よりも

〝国民自身がどう動くか〟の自己制御に

近づいています。


そこで今では文明活動は、

技術による環境制御(操作)と

政策による自己制御(適応)からなる、

文明と環境の相互作用であるといえます。


図⑩:政策による文明の自己制御

https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/16818093089991252487

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