1話 VS冒涜の邪神 その1
ボクの混乱をよそに、機械的な声が聞こえなくなり、代わりにボクの背後で悍ましい音を立てながら何かが出現したのを感じた。
本能がけたたましく警鐘を鳴らし、今すぐここから逃げろと告げる。
しかし、逃げる間もなくボクの体は触手のような何かで貫かれ、さらに触手はボクの腕と足を絡め取り、勢いよく引きちぎった。
激痛……そんな程度の言葉では表せないほどの痛みを感じた。
「■■■■■■■■〜〜〜〜aaa!!!!!」
耳をつんざく絶叫。
これを出しているのがボク自身であることに、しばらく気づかなかった。
あまりの痛みに何も考えられなくなり、ただただ絶叫し続けた。
何故か気絶も出来ず、ただただ痛みを感じ続けた。
でも、何故だろうか?
こんな絶望的な状況なのに……何故……ボクは笑っているんだろう?
「アハハハハハハハハハハ!!!!!」
絶叫はいつしか狂笑に変わっていた。
ああ、そうだ。
これはボクが望んでやまなかった非日常じゃないか。
だったら……楽しまなきゃ損だよなぁ?
そうと決まれば、早速こいつに勝つにはどうするべきか考えなきゃな。
まず、このままじゃいつまで経ってもボクはこいつに勝てない。
そもそもこいつは神だ。
ただの人間が勝てるわけがない。
……やっぱり魔力は必要だよなあ。
そもそもこんな化け物がいるんだ。
魔力があったって何も不思議じゃないだろう?
ということで、まずは魔力を認識しなきゃな。
どれほどの月日が必要か分からないが、とりあえずやってやってみよう。
そう考え、自分の内側に意識を向ける。
その間何度も体を引きちぎられたり、貫かれたりしているがどうでもいい。
ここが非日常である以上、ボクの心は決して折れはしない。
「アハッ、楽しくなってきたなぁ」
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