IV

鳥居をくぐると、


奥には小道が続いてて


多分この奥に本堂があるのだろう。


だが、この小道を進むのは気が引けたから


今日はやめておいた。


それよりも、


なんで夢にこの場所が出てきたんだろう...。




その時、


「てーまりーで 一緒に あっそびーましょ!」


と奥の小道から聞こえてきた。


とても可愛らしい女の子の声で。


私は少し不気味に思えたが、


とにかく奥に進んでみることにした。


途端、後ろから誰かに腕を引っ張られた。


驚いて振り向いたが誰も居なかった。


気のせいかと安堵しつつ、


前を向くと目の前には おかっぱの女の子が立っていた。


そしてその子は私に


「お姉ちゃんだぁれ?」と言った。




✧••┈┈┈┈┈┈••✧




???side


僕は小さい頃から自身の名前を気に入らなかった。


理由は " 女の子みたいな " 名前だったからだ。


僕の親はイライラすると、僕を叩く。


その時にいつもこう言うんだ。


『お前なんか産まなきゃ良かった』


『お前はたかが1つのミスでできちゃっただけだ』と。


だから僕はいつも自分にこう言い聞かせる。


『僕は存在しちゃいけないんだ』って。

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