君と私と空自体と

こむぎ/Okome

I

今日の授業で、


『雨が悲しみで、晴れが喜びなら、雪はどんな感情?』


というテーマについて作文を書くことになった。


みんながスラスラ書いている中、


私はよく分からなかった。


だってそんなこと考えたこともなかったし。




気づくと授業終わりを知らせるチャイムは


学校中に響き渡っていた。


『書けなかった人は宿題。』


私もその1人だ。






家に着いて玄関のドアを開ける。


中は真っ暗で人は居ない。


そりゃあそうだ。


私は1人暮らしなのだから。


ちょうど去年、私の親は交通事故で亡くなった。


親戚は


『高校生なら1人暮らしもできるでしょ』


と言って私を見捨てた。


だから私は多分、


この先もずっと1人暮らしなのだろう。




今日も私はいつも通りの生活をして


布団に入った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る