異世界転移してしまった【犬】に生きる道はないのか?

鍛弧(かこ)

一話 【異世界転移と犬】

『ワォンワォン! 』


そんな甲高い声を出しながらご主人と一緒に遊んでいた。

ご主人は、いつも遊んでくれる良い同族だ。

おやつはくれるし、外にだって連れてってくれる。

今日もいつものように遊んでくれた。

楽しかった。

そして夜になり、ご主人におねだりをしてようやくおやつがもらえた。

(このおやつ、おいしいな)

そういいながらもう一回おねだりしに行くと、

『もう夜遅いからもうあげないよ。虫歯になちゃうよ』

そう言われた。

でも僕はまだおやつが欲しい...。だから僕はずっと、いつもおやつが出てくる場所に待機した。

でもそれは意味がなかったみたいだ。僕はあきらめて、布団へと向かった。

そして寝た。

寝て少し経った頃だろうか...

「う..アァア」

とご主人の苦しんでいるかわからないけどつらそうなのは理解できた。

目を開けた。

(あれご主人は?)

周りを見たがそこは、来たことも見たこともない場所だった。

僕は、一生懸命に走り回った。

(ご主人はどこなんだ?助けが必要なんだ)

どのくらい走ったのだろう?わかるはずがなかった

気づけばもう外は明るくなっていた。

ちょっと止まって聞こえた。

『クチャ。クチャ』

とても好きではない音だ。

音のほうにちょっとだけ、行ってみた。

角みたいなやつが生えた熊みたいなやつがいた。変な奴を食べていた。

僕を見るなり、食べていた変な奴を口から落とした。

僕を見つめた。

(目を合わせたらやばい)

できるだけ下を向いた。

でも相手は、こっちをずっと見て近づいてきてしまった。

(どうする?ここで死ぬか?)

こう考えている間も相手は近づいてきている。

(でも僕はご主人に会いたいんだ!)

その時、とっさに遠吠えをした。

『アオォオォオォオォオォン』

死ぬかもしれない。目をつぶってしまった。

瞼(まぶた)越しでもわかる。

すごく光っている。

光が収まったのが分かった。でもなぜだろうか。

僕は死んでいないはずなのに『クチャ。クチャ。』なっている。

恐る恐る目を開けた。

僕と似た見た目の動物がいる。

でも少し光っているように見えた。

僕はとっさに逃げた。

(あいつらに食われる)

逃げて数分はたった頃だった。

(ご主人と一緒の見た目をしている!)

ご主人の見た目に似ている形をした動物に会った。

(いつ食われるかわからない)

僕は隠れた。相手は気づいてはいなさそうだ。

そんなとき後ろから、子供が走ってきた。

僕は気付くことができなかった。

『キャァン』

このせいで居場所がばれてしまった。

(どうしよ...)

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