第10話
部屋に着いた…………
『慧悟さん……真在子です。失礼します……』
戸を開け中へと入る。
すると窓辺の縁に座り、お酒を呑みながらこちらを見つめる慧悟さんが視界に映った。
思わず立ち尽くしてしまう。
紅き月を背にたずさえる彼のシルエットが一つの絵のようで………
それがあまりに奇麗で妖艶だから……
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