第9話
「真在子、行くわよ。」
窓の向こうの赤みが差した白い月を見上げ、部屋から出る。
彼の待つ部屋へと一歩、また一歩と歩いていく。
緊張が更に深まる。
それと同時に意識が冴えだす。
周囲の賑わいの音が通り過ぎていく。
もう一度、深く呼吸を落とす。
静かになっていく廊下。
自分の歩く音だけになって
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