第245話
パタン………――――
「はぁ………」
布団に入り溜め息ひとつ零してしまう。
沙来の言葉が身にしみる。
“慧悟さんをあきらめちゃ駄目”だって……
分かってる……
本当はそんなつもり無いよ。
だけど一緒に住んでることを聞かされて、結婚すると相手の綾子さんに言われて信じぬける程、私は強くない。
もちろん慧悟さんの事を好きという気持ちは変わらない。
そんな彼から綾子さんと結婚するなんて聞かされて、惨めになるのが目に見えるから、一線も二線も引いとくの。
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