第172話

『……慧悟さんも、お仕事大変ですか?』




「ああ、まあな。家に帰っても仕事で休まらない。それにお前に逢えない事が、一番堪える………」





『あっ……んン………』




急に彼に引き寄せられ唇を塞がれる。






嬉しいはずのキスなのに………





気持ちがついて来ない。





それよりも罪悪感ばかりが押し寄せて………





そんな慧悟さんとキスを交わす私は





とてもずるくて、卑怯者だって思い知らされる。




それでも…………





やっぱり彼を振り切るなんて出来ない。

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