第151話

「はぁ……」





部屋に戻り窓辺に寄りかかり、生暖かい湿気混じりの風に身を当てる。




じわりじわりと汗を誘発させるこの季節に、今の気持ちと相まって無性にゆとりの無さが苛々となって私を纏(まと)う。






原因は顕司さんに触れられたこと?




慧悟さんだと思っていたのが、顕司さんだった事実にショックだったから?




それとも自分の甘さに憤りを覚えたから?






(分かんない……分かんないよ……)







だけど……どれも正解だと思う。





幾ら私が慧悟さんのワイシャツ着て寝てたからって、医者として来ているって言った以上、それに徹して欲しかった。

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