第134話

カチャン―――




『悪い、慧悟。言い忘れてた事が……。』




「何だ?」






『其れは……“お仕事頑張ってください”って真在子ちゃんからの言付け。』




「……………」




『其れだけ、じゃあな。』




俺の耳元で話し、再び出て行く貴志。






(態(わざ)とだな………)




其れでも真在子からの言葉は、些細な事でもやはり嬉しい。




“お仕事頑張ってください”




「か……。」





心配しなくとも大丈夫そうだな。





真在子の事だ、何か在れば言って来るだろう。





それを信じる己を信じようか。





―――――………

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