第58話

「降り……」



『うふふ……』




「綾子!人前で止(よ)せ。」




降りて綾子に近寄った途端、腰に抱き付く綾子。





『だって良いでしょ?』




「…早く行け、遅刻するぞ。」




『……わかった。じゃあ頬に口づけしてくれたら行く。』




「……お前、調子に乗り過ぎだ。」




俺はそう言って、渋々綾子の頬に口付けを落とした。

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