番外編【私の友達は夏限定】
私の友達はよく運命の人探しをしていた。
正直私は運命の人なんて居ないと思っていた。
この世の中に、運命の人という者が
運良く現れるわけが無い。
そう思っていたからだ。
だが、
ある日その友達から1件のメールが送られてきた。
そのメールには、
『私の運命の人見つけた!!』
と書いていた。
多分、運命の人は
『運命の人』
を信じている人の前にしか現れないのだろう。
だから、今まで私の前に運命の人なんて
現れなかった。ただそれだけのことだ。
でも、少しだけ私の心には
『羨ましい』
という気持ちが居た。何故だろう。
そのメールが送られてきて3日後、
その友達は突然、消息不明になった。
メールをしても未読無視。
学校にも来ていない。
でも何故だか皆は、私の友達の話をしない。
何故だろう。
もう、忘れてしまったのだろうか?
そんな言葉が頭によぎる。
でも、そんなことは無かった。
春が終わり、夏が始まろうとしている日、
その友達は私の家のチャイムを鳴らした。
私は驚きながらも
急いで今までどこに居たか聞くと、
その運命の人と結婚して天界に行ったらしい。
そして、その運命の人は小さい頃に会ったこと
があってその人は夏の神様だという。
私は情報量が多すぎて、
頭がパンクしそうだったが、
何故だかその友達らしく思った。
いつも友達は私が予想している斜め先のことをする。
その友達は、夏にはこっちに来れるが、
夏以外は天界に行くらしい。
正直、私はその友達が幸せならそれでいい。
そんな会話も終わり、
私達は自分達の居場所へ帰った。
私はその友達が帰ってから、
大粒の涙を零して泣いた。
友達が生きていた安心感。
夏以外はその友達と会えない寂しさ。
そんな感情が一気に涙となって溢れた。
次に、
友達が出来たら私はその人にこう言うだろう。
私の友達は夏限定です。
と。
私の恋は夏限定 こむぎ/Okome @Okome_komugi
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