母との交流

宮田秩早

第1話 わたしの母

 わたしの母は現在七十歳中盤。

 中学を卒業して、お礼奉公を条件に、学校に通わせてくれる医院に勤め、準看護婦(当時の呼称。現在準看護師)の資格を取った。

 育児で八年程度、勤めていない期間があったが、十六歳からさまざまな病院に勤務し、六十で退職してからも老人介護施設の看護師として週三日程度のパートを勤め、一年半前まで、なにがしかの仕事をしていた。

 働き者の母である。


 私の家族は両親とわたし、そして弟がいた。

 弟は2023年5月に逝去した。突然死ということになるのだろう。

 自宅の、自分の部屋で亡くなった。享年四十八歳。

 両親と弟は同居していて、母が死亡を確認した。

 看護師らしく、手順に則って、近所中に響き渡るほどの大声で弟の名を呼びながら、脈拍、血圧、瞳孔を確認した……そうだ。


 以来、母はすこし元気がない。


 わたしは当時もいまも、両親とは同居していない。

 この話は、そんな母とわたしの、いま、むかしの話である。

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