ナインスドラゴン
沢城侑
第1話 竜人監査官
竜の因子を持つ竜人と呼ばれる戦士たちが、己が神と崇める竜の力を以て、大陸の覇をかけて争う聖なる戦い。
大陸中央ルーシアの街。
そこに竜人監査局は存在する。
そこの補佐官であるエレナは、彼女の上官であるエドウィン監査官の元へと急ぎ足でやってきた。
そしてある報告をエドウィンへ伝えた。それを聞いた彼は眉を顰めた。
「土の13番がやられた?」
「はい、土の竜人の序列13位ダウルズが戦闘不能になったとのことです」
「信じられないな。ダウルズは本戦の候補だぞ。それで相手はどこの竜?」
「それが、竜人ではないが、竜人を名乗る者にやられたとのことです」
エレナが答えると、エドウィンは怪訝な顔をする。
「どういうことだ?」
「襲った人間は自らを竜人と名乗ったそうですが、ダウルズ曰く、竜人とは思えないとのことです。そして、この件について局長から命令が出ています」
「……局長はなんて?」
「調べろ、とそれだけです」
エドウィンは面倒くさそうに頭を掻いた。
「まったく、あのオッサンは。それで他に情報はあるの?」
「ええ、その竜人は名前を言い残したそうです。トムボーイと」
それを聞いた瞬間、エドウィンの顔が強張った。
「エドウィンさん?」
「……いや、なんでも無いよ。エレナ、馬車の手配を頼む」
「行先はどちらですか?」
「エイガンだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます