世界で唯一にして最強無双の文珠使いは弱点を隠すために奴隷の王国で快適生活を目指す!
無職無能の素人
第1話 光る光の珠
「言われた事はやっただろ!金払えよ!」
「あぁ?スラムのガキにやるもんなんてねぇよ。俺らの役に立たてだけ喜んどけや」
「なんだ殴って欲しいのか?それくらいならくれてやってもいいかもなぁ!ギャハハハハハ!」
丸1日かけてこいつらの荷物持ちをやったんだ!それも危険なダンジョンの中で、雑用もたっぷりやらされて!それなのに脅しでチャラにする気かよ汚ねぇ!
「お前らだってただのC級冒険者だろ!お前らが金を払うって言ったんだろうが!黙って払えよ卑怯者!」
「餓鬼が調子に乗りやがって。おい!やっちまうぞ!」
「ヘヘヘ、任せとけって!」
「ちくしょう!負けねぇぞ!」
喧嘩に勝ったことは一度もない、だが気持ちで負けたことも一度も無いぜオラァ!しばくぞコラァ!
「そらよぉ!」
鼻っ面を殴られて痛みで涙が出た。そのせいで前が見えなくなってうずくまってしまったのは仕方ない事だろ、誰だってそうなるだろ?
今日はツイないぜ、明日はボコボコにしてやるからな。何度も蹴られながら睨みつけてやったらブチ切れて後頭部を何度も踏みつけてきた。
「お、おい、頭はやりすぎると死んじまうぞ」
「いいじゃねぇか死んでも、まぁこの辺にしといてやるか」
トドメにガツンと後頭部を蹴り上げられた瞬間、頭が掻き混ぜられて知らない物が沢山頭に浮かんできた。
なんだこれ、知らない…いや知ってる、あれもこれも、知ってるものだ。いやあれ俺って?
記憶の本流に押し流されて俺は気を失った。
これは夢か?アニメ、ゲーム、スマホ、楽しいものだ。車、電車、飛行機、便利だったな。学校、仕事、生活、めんどくせぇ。色々な物があった、ここには何にもない。人もいないな、物心ついた頃からずっと1人だ。でもそうだ、あっちには魔法が無かったな?あ、そうか、俺は違う世界に生まれ変わったんだ。
パチリと目を開けたら綺麗な月が見えた。前世の物とは違う、落ちて来そうな大きな月、汚い路地に倒れた俺を照らす優しい光。
(光、光だ。綺麗な光)
コツン、ころころ。コツンコツン、ころころろ。
なんだ?何か硬い音が?
見るとそこには小さな珠。拾い上げると【光】と書いてある。
なんだコレ?漢字?この世界で漢字なんて見たこと無いぞ?
「ひかり?」
読み上げた瞬間、珠から眩しい光がっ!。
「ああっ………目がっ…!目がぁぁぁぁあっ!!」
いやつい言ってしまったがそこまできつくもないな、スマホのフラッシュくらいのものか。
手の中の珠は消えてしまっていた。
「何だったんだ?」
足元にはまだ珠が転がっているのでとりあえず拾っておいた。
これってどこから来たんだ?確かあの時は……。
コツンコツン、パラパラパラ。
月の光を強く意識すると沢山の珠が落ちてくる。訳が分からないが全部拾って住処に戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます