4.嫌なことがあった日、僕は暴飲暴食を繰り返す。



 社会に揉まれて半年くらい。ここで僕がどんな仕事をしているか皆様にも聞いてほしい。僕はとあるスーパーマーケットで働いている。いわゆる接客業だ。細かな業務までは省く。何故なら仕事、業務に関しては向いてるなと思うくらい楽しいから。楽しいこと、上手くいっていることは文章にしてもつまらない。新商品を調べたり、新しい商品がその日にどれくらい売れるか、などのように毎日が実験のような気分である。なにをどれくらい発注すればうまくいくのか、ちょうど良く売れたり、たくさん発注したものが予想通りたくさん売れると本当に嬉しい。しかし、例えば接客で言葉を間違えたり、発注をミスしたりすると本当にものすごく怒られる。経験年数とか年功序列をあまり感じないのは良くも悪くもある。でも総じて楽しいのだ。「楽しい」に行き着くのだ。だからそこは良い。問題は人間関係にある。それもお客様ではない。従業員同士の問題なのだ。


ここの従業員たちは日々の業務が変わり映えしないと思い、作業のように業務を行う人がこのお店の7〜8割くらいを占めているように思う。つまり大多数だ。そして、やる気のある人、頑張っている人を陰から否定する。押し退ける。聞こえるように悪口を言う。そもそも、接客業は対お客様のお仕事なのだから、本来であれば愚痴の内容は色々なお客様の話題になるべきだ(それはそれで申し訳ないが)。にも関わらず、休憩室に行くと日々、誰か(従業員もとい内側の人間)の悪口を耳にする。それだけならば良いのだが、こちらに対して愚痴への同意を促されるのだ。僕たちは仲間のはずだ。仲間でなければならない。それに僕は正直、職場の誰が何をしようが誰を好きでいようが嫌いでいようが別にどうでもいいのだ。ただ人並みに働いてくれれば。しかし、ここにいる人たちにとって大事なことは、目の前の仕事を終わらせることでもなく、お客様に対して良い接客をすることでもなく、○○さんが△△さんに悪口を言っただの、色目を使っただの、誰々さんばかり贔屓してることに対して各々が私見を述べるといった、くだらないことばかりだ。あーくだらない。そんなこと言ってる暇があるなら、日々のトレンドを見たり、新聞読んだりすれば良いのにって思う。僕にとってどうしても好きになれない人たちばかりだが、まあ、どうでも良いか。日々のイライラは食事に救われる。スーパーは新商品にすぐに気づけるから楽しいし、何より君がたまに遊びに来る。だから、まあなんとかやっていける。君とたまに売り場で一言二言話してしまう。たまにその場面をパートさんにまじまじと見られたりする。僕は死んだ顔して仕事をしているだろうから、あんなに笑っているぼくを見たら確かにまじまじと見られるのも、無理はない。不満が溜まってもたまに君と会ったりご飯に行ったりすれば僕の機嫌はたちまち良くなってしまう。そして全てを忘れて眠り翌日を迎える。そんな繰り返し。何度も言うが仕事はとても楽しい。楽しい。だからこそ、はやく全てが終わらないかと思う。毎日無限に増え続ける仕事の全てが終わらないかって本当に考えてる。もういっそ、このお店がなくなれば良いのになんて思うのだ。そんなこと思いながら、今日もマクドナルドを買って帰る。何を食べようかとアプリを開き、クーポンを調べる。


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