2日目 やっとこ聖地巡礼
まあまあ夜遅くまで起きていたのだが、頑張って早めに起きる。朝風呂に入る。シャワーのみだったが、私は自宅でも朝はシャワーを浴びているので、特に問題なし。
服は、檸檬の模様のTシャツに、靴下も檸檬と蜜柑の模様のやつを選んだ。今日は一日中、伊坂作品の聖地巡礼もするからね!
さて、ホテル内では朝食提供サービスをしていなかったので、隣のロイヤルホストへ。実は、昨晩前を通りかかったときに、「パパパパパ、パンケーキのモーニングセットがある~~!」とテンションが上がっていたのだ。
沖縄のイオンライカム店内にもロイヤルホストはあり、何度か行ったことはあった。しかし、お高め路線が合わなかったのか、潰れてしまった。また、中部に住んでいる私にとって、ライカムのロイホは、那覇に比べると近いと言えば近いのだが、モーニングのためにふらっと立ち寄れるような場所ではなかったのだ。
お客さんは少なかったのだが、窓側の席に座った。ドリンクバーもついているタイプのモーニングでパンケーキを注文。やってくるまでは、『マリアビートル』の昨日から続けて読んでいた。
いわゆるラッシュアワーを越えていたためか、通行人はのんびりと歩いているし、車道も渋滞していない。道向かいに立っているのは歯医者さんかなぁとか思いながら待っていると、パンケーキが到着した。
少し薄めで生クリームではなく、バターがてっぺんに乗った、パンケーキというよりもホットケーキと言った方がいいような三段重ねのパンケーキ。うず高く積もれた生クリームにたっぷりのフルーツを彩ったパンケーキだと、おなかを壊す年齢には本当に丁度良かった。
パンケーキを食べた後も、ドリンクバーを注文したからと、何度か紅茶をおかわりしながら、時々本を読んでのんびり過ごす。旅行中ではあるのだが、こういう時間も悪くない。まあ、貧乏性なのとめんどくさがり屋なのが併発してしまったというのもあるのだが。
さて、一度ホテルに戻って、荷物をまとめてからチェックアウトをした。しかし、スーツケースはフロントに預けて、外へと繰り出す。スーツケースを転がしながら、街を歩き回るよりも、財布や携帯など、必要なものだけを入れたリュックだけを持っていた方がいいと判断したからだった。
まずは、ぶらんど~む一番町というアーケードの中にある「むかでや」へ。ジョジョ四部のシアーハートアタック戦の舞台となった、靴屋のモデルになった店だ。ホテルからそこそこ距離があったのだが、まあ、歩いて行けるだろうと、バスもタクシーも使わなかった。
商店街のココ、という場所に辿り着いたのだが、なかなか見つからない。もっと大きくて目立つ店だと勝手に思い込んでいたのだが、むかでや自体は建物の二階で、かなりコンパクトな店だったのだ。店に入る前の階段に、仗助の筆書きの掛け軸(非売品)があって、早速写真を撮った。
お店は雑貨などを売っているスペースと、そこよりもさらに手狭なギャラリースペースがあった。ギャラリーの方にはイラストレーターさんが展示会をしているようだが、まずは先にお店の中へ入る。売っているのは女性ものの雑貨が多かった。あまりかさばらず、自分へのお土産に出来るものはないだろうか……と悩んで、コンパクトな店内をぐるぐる回る。
途中、私と同じく聖地巡礼目的のお客さんが何組かやってきた。全員男性客で、店主のおばさまとお話しているのが聞こえる。私はシャイだから羨ましい。結果、うちで飼っている犬と猫のための、牛タンビーフジャーキーと、白い手帳サイズのノートを購入した。
その際に、ジョジョのファンだとは一言も言っていなかったのだが、店主のおばさまが察してくれたようで、「領収書切りますか?」と尋ねられた。実は、このお店、領収書に「吉良吉影様」と名前を入れてくれるサービスを行っているのだ。ジョジョの最推しが吉良の私は、大喜びで「はい!」と頷いた。
買い物を終えて、帰る前にと、ギャラリースペースの方も覗いてみる。若い女性のイラストレーターさんがいて、個展を開いているようだった。羽の生えたケンタウロスのようないきものと、魔術師らしき青年の交流を描いたイラストが多数飾っていて、その線の細さと緻密としたタッチが気に入った。
物販コーナーも見ると、ポストカードがお手軽な値段で売っていたので、青年のアトリエを描いたポストカードを購入する。イラストレーターさんは、買ってくれるなんて思ってもいなかったのか、「いいんですか⁉」みたいなことを言ってくれた。最初、冷やかしぐらいの気持ちで入ったので、ちょっと申し訳なくなる。
むかでやを出て、ほぼ正面にあるガチャガチャ屋を覗いた後、お昼も過ぎてきたところだったので、江陽グランドホテルへ向かう。ここは、ジョジョ四部で、承太郎が泊まっていたホテルのモデルと言われている。そこの一階のレストランが目的地だ。
それなりの距離を歩く。沖縄でも見かけるフランチャイズのコインパーキングを見かけて、あんまり変わらないかもなぁとか思っていたら、街路樹が銀杏っぽくて、謎にテンションが上がる。しかし、写真を撮ってグーグル検索してみても、結局何の木だったのか分からなかった。
ランチタイムのレストランの入り口で、メニューを見る。白い泡のようなクリームが乗ったカルボナーラを発見し、「こんなの食べたことない!」と思ったので、これを注文する。食事の冒険は普通にするタイプなのだ。
注文後、カルボナーラを待ちながら、『マリアビートル』を読む。到着したカルボナーラ、しっかり卵の味がしておいしい。ただ、期待していたよりも普通だった。食後はロビーも探索し、彫刻が飾っているのを見る。
ホテルを出た後は、勾当台公園の広場へ。こちら、映画の『ゴールデンスランバー』の佳境で、主人公が訪れた公園だ。どんなシーンなのかは、見てのお楽しみに……と言いたいところだが、邦画の『ゴールデンスランバー』は配信などをしていなくて、DVDを買うかレンタルするしか見る方法がない。ちょっともったいない。
そして、実のところ、私もこの映画を見たのは高校生くらいと遠い記憶だったので、実際にその公園に行ってみても、「そういえば、こういう場所だったような」という気持ちだった。聖地巡礼なのに。もちろん写真は撮って、場違いかもしれないが、ここでも『マリアビートル』を読み進めた。
四時を過ぎたころ、別のホテルのチェックイン時間が過ぎたので、昨晩泊まっていたホテルに戻って、キャリーケースを回収してから出発。こちらも徒歩圏内だったので、ガラガラ転がしながら歩いた。
二件目のホテルは、ラウンジに本がたくさん置いてあって、ちょっとした図書館のようになっている。ここで本を読むのも楽しみだなぁと思いながら、チェックイン後、自分の部屋に入ると、完全に力尽きた。
この日一日中、ずっと歩いていたのだから仕方ない。本当なら、夜に行きたい場所があったのだが、ベットの上から動けず、夕食も摂らずにゴロゴロしていた。
ここで、明日に備えてすぐに寝る、という選択肢もあったのだが、そんな寝る準備をするのも億劫で、スマホを見たり、テレビやYouTubeを見たりし続けてしまった。そんなこんなで、あまり良いとは言えない二日目の夜を過ごしたのであった……。
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