昼は劇団学校の学生にして夜は殺し屋の美少女と、彼女にこき使われる羽目になった元人間の少年人形が、犯罪都市を舞台にドンパチ駆けまわるバディ活劇――というのが、今作のざっくりとした内容である。
死んで転生したら、美少女に飼い殺される人形になっていたという主人公・シモンの立場は、ちょっと羨ましい(?)気もするが、ここに登場する少女たちのハードワーカーぶりを知ると、そうも言えない。
昼は舞台の上で煌びやかなスポットライトと喝采を浴びながら演じ、夜は一変、血と硝煙に塗れて暗黒街の悪党たちをぶっ殺す。
特にヒロインのリリシュカの仕事ぶりたるや、彼女に付き従うシモンもドン引きするレベルで容赦ない。
しかし、殺しを嫌悪していたはずのシモンは、やがてリリシュカのために自らの意思で引き金を引く。
あまりに苛烈で破滅的なリリシュカに彼が抱いた感情は、同情か、はたまた。変化し続ける両者の関係性からは目が離せない。
優秀されど危うい殺し屋少女と、最強されど心は平凡(?)な高校生人形――運命の糸に繋がれた『一人』と『一体』の行く末は、ぜひその目で見届けてほしい。