月が満ちたあの日の君に会いたい

@tonkoturamen

第1話

俺はあの日、奇怪な事に遭遇した。

それは月がはっきりと、そして、星もほとんど

姿を見せなかった、まるで月が空に満ちたみたいに、そして月が満ちた日の事だった、

俺は公園である一人の女性と出会った、

女性はベンチに座って、お酒を手に持っていた

、そして女性がこちらに気付いて、話掛けて来た。

お兄さんも一人で月見酒ですか…

と聞いてきた、いえ、今日は月が綺麗に見えると、ニュースでやっていたので、ここの公園は

建物が周りにあまり無いので、よく見えるんです。

と答えた。

そしたら女性は、そうですね。

ここなら月がよく見えるし、美味しいお酒も飲めそうですね。

と笑いながら答えてくれた、俺は咄嗟に聞いてしまった。この辺に住んでるんですか?、

いえ、ここよりちょっと離れた所に住んでます、ただ今日は、ちょっと離れた所に居たくて

、歩いて来たんです、そうなんですか、

そう聞いて俺はちょっとがっかりした、

そのまま立っていると、女性は俺に質問を投げてきた。

お兄さんもここに座りませんか?

え…では、失礼して、隣に座り、お酒を一緒に

飲んで、話しているうちに、時間が過ぎていった。

あ、もうこんな時間だ、そろそろ帰ります、

明日も仕事なので、と言うと、

何のお仕事をされてるのですか?、

と問われた、なので正直に答えた。

エンジニアをしています、主に車関係の仕事を、と答えた。

女性は驚きながらも、会話を続けてくれた、

凄いですね、エンジニアの仕事何て、

そんな珍しく無いですよ、

ではこの辺で、今日はありがとうございます、

また、会ったら話ましょう、

えぇ、ぜひ話ましょう、お互いそう言って別れた、そしてあの日以来会えなかった、

そんなある日、殺人事件のニュースがあった、

それを見て、驚愕した。

殺された、のは女性で、事件現場も家から遠くもない、何より、殺された女性の写真が例の

女性だったから、その女性は家でDVに遭ってたみたいで、精神的に追い詰められたみたいで、マンションのベランダで首吊り自殺したらしい、それを見た住人が通報したらしい、

俺があの日、女性にもっと寄り添って、

話を聞けたら救えたかも知れないと思うと、

悔しくてしょうがなかった。

それから俺は月が出る度に、あの日の事を思い出して、あの月が満ちた日に戻りたいと思う。

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