アマゾーン国探訪記
始祖鳥
レナトス
「まさか!」「私たちが戦士ですって!」
女たちは、
「あのねぇ、女だからってみんなが戦士になれる
「そもそも
女たちは、首を横に振って
「それはそうと、あなたみたいな男の人なら、この辺にもいるわよ」
ほら、と言って女のひとりが指差した先には、市場で働く女達に混ざって、若い男性が荷物を頭に乗せて運んでいた。
「あと、
旅人は、
彼女たちの話は、書物に
長年この国に興味を持ち、書物を読み漁り研究してきた彼だったが、住人たちの生の声を聞いて、ますます好奇心を
旅人の名はレナトスと言って、さる名家の三男である。
後を継ぐ事もなく、気楽な身分ゆえ、普段は詩を書いたり、本を書くために旅をしながら、自由気ままに暮らしていた。
「じゃあね、
女たちは、目を細めてニッコリ笑うと、手を小さく振ってから、雑踏の中に去って行った。
レナトスは、女たちの自分への
街の中は、行き交う人々で賑わい、物売りの声や通りすがる人たちの話し声、
書物の世界が、目の前にある。
人々は皆、簡素な布の服を着ているが、それとは対照的に壁や建物は、鮮やかな模様が施され、それは自国では見ない独特の
窓からは、鈴のような
しかし、彼がとりわけ注目したのは、この街、
(ここには、女しかいない)
それは、
アマゾーン国。女王が治め、
このアマゾーン国の周辺にある国々の中で、一番大きな
(今回は、勝手が違うな)
書物による知識のみならず、多様な文化を見聞きしてきた彼にとっても、この違和感は
どこを見ても、大人も子供も老人も、女ばかりで、男は自分だけなのだ。
レナトスは、旅をしてはじめて、心細さを覚えた。ふと、通りの先を
(
「危ないっ!」
「うわっ!」
レナトスが、男性に話しかけようと、通りの道を横切って近づいた
突然のことに、彼は驚き、我に返ると、今度は激しく肝を冷やした。
そして、自分に向けられる、周りからの視線にも気がついた。
通行人は皆、レナトスを
女性ばかりに囲まれ、視線に晒されることに、これほど威圧感を覚えるとは、彼は、アマゾーン国に来るまで想像もしなかった。
女の国なら、皆、母のように強く、たくましくて、姉のように優しいに違いない。
子供の
ただでさえ、アマゾネスの情報は限られている。
そこで、自分が行って、この目で確かめる。
そして体験を本をして、
それは、自分の手柄であり、一族の名誉であり、王国の利益にもなるだろう。
(私は、“
彼には、野心もあった。
女たちは、レナトスの周りに集まって来る。
口々に何かを言ったり、ヒソヒソと
レナトスは、なぜが
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