第8話『~最終回~私たちの戦いはここからだ!』

「……ん、あれ?」

 戦闘を終えたミイラちゃんは、ふと振り向いて気が付いたものだ。

──人間の数が増えている。

 初めは三人くらいだったはずである。

 気付けば、この戦闘の混乱に乗じて五人に増えていた。知らない顔が何人か居た。

 ミイラちゃんは頭をいた。考えて、考えて──そして、ひらめいた。

「そう言えば……人間って、一人見付けたら百人は居るって、言わなかったっけ……?」

 記憶違いであったが、ミイラちゃんは自分自身のそんな言葉に納得し、この不思議な事象をこれ以上気にすることもなかった。

「まぁ、死んでもらうんだから。何人いようが、お構いなし!」

 そして、ミイラちゃんは張り切って、人間たちを苦しめるために足蹴にしたのであった。

「うひょぉおおっ!」

 男たちの歓喜の悲鳴が上がる。

──完全に逆効果だ。


 果たして──ミイラちゃんが自らのあやまちに気が付くのはいつになる事やら。


 意図せず人間たちにご褒美ほうびを与えてしまうミイラちゃんは、なんとか人間たちを弱らせようと頑張り続けるのであった。

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