第7話『人類ピンチの理不尽パンチ』

 その日——恐怖の大王が地上に降り注いだ。

 地上を壊滅させた後に、彼女は言ったものである。

おろかな人間たちの何人かは生き延びたようですね。三百六十五日間、猶予ゆうよを与えます。それまでに地上の人間が死滅していなければ……再び恐怖の大王が地上に降り注ぎ、残りの者たちを排除することになるでしょう」

 恐怖の大王の宣告に、おびえたのは残された人間ばかりではなかった。

 モンスターたちも、それを恐れた。

 折角せっかく、築き上げた住まいを──住心地の良いこの世界を、人間なんぞのせいで滅ぼされてまるものか──と、怒りに燃えたものである。


 だから、モンスターたちは一致団結いっちだんけつして、来る日に備えて人間たちを死滅させるために動き出したのであった。

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