ミイラちゃんは弱らせたい
霜月ふたご
本編
第1話『ミイラちゃんは頑張りたい』
カラッカラに
どれだけ暑いかといえば──
だから、ここにいるみんなは干乾びていた。
「あー、だるいなぁー。もぅ……」
こちらは
他のみんなと違うのは、彼女だけ
他の誰しもが干乾びている中──ミイラちゃんだけは生き生きとしていた。
まぁそれは、彼女がモンスターに
「こう暑くちゃ、
そう言いながらミイラちゃんは、包帯を引っ張りながら手で
「おぉっ!?」
干乾びた男たちは活力を取り戻し、起き上がって目をまん丸にした。
「は? あんたら、なんで起きるの? 早くそのまま
ミイラちゃんは
「おぉ……!」
干乾びた男たちはさらに
「え、なにこいつら、しぶといんだけど……。さっさと死になさいよ、まったく……」
そんな男たちの興奮した
まだ痛め付けが足りないのだと勘違いしたミイラちゃんは、男の頭を素足で踏み付けてやった。
「ほれほれ、痛いでしょ? 辛いでしょ?」
——グリグリグリ!
クスクスと笑いながら、ミイラちゃんは男の頭をなじった。
「うひょぉっ!」
──しかし、やはり逆効果であったようだ。男の表情はいっそう生き生きとし始めた。
これまた痛め付けているのに——反対に、生気を取り戻していく男たち。そんな彼らの
「え、なんなのよ、もう! ……また今日も失敗ってこと?
腹を立てたミイラちゃんはプイッと背を向けて帰ってしまう。
すると、
「まってくれ!」
「まだ俺は踏まれてないぞ!」
「俺を踏んでくれ!」
背後で男たちが必死に訴えたが、ミイラちゃんが聞く耳を持ってくれるはずもなく──無情にも重たい石の扉は閉じられてしまうのであった。
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