第20話、メイドワーフ
ロックワームを撃退した、アレクとルリ。
アレクの飛龍、ジラントに乗って鉱山都市を目指す。
渓谷沿いに作られた街道の上を飛行していた。
「どんどん山を登っていくね」
自分の背中にいるルリさんに、声をかけた。
「そうね、あっ、あれは」
「ロックワームだ」
街道の一部が崩れロックワームの頭が見える。
どうやら一箇所ではないようだ。
「何かに追い出されたようね」
ーーロックワームが
「ふうむ」
「とりあえず鉱山都市に急ごう」
「うん」
しばらく飛ぶと鉱山都市が見えて来た。
幅が訳100メートル位の渓谷だ。
渓谷の壁は垂直に切り出され、通路や階段が掘られている。
さらに壁の横に穴が掘られ住居が作られていた。
所々にエレベーターがある。
崖に上にはエレベーターを動かす蒸気機関。
煙突から白い蒸気を出していた。
二人を乗せた飛龍が渓谷の間を飛んだ。
「おお、こっちじゃあ」
崖の上に手を振る人がいる。
近くには大きなエレベーター。
運んできた物資を下に下ろすようだ。
◆
メイドとは、
現実世界に実現させた、
万能の概念である(キリッ)。
生きとし生けるもの全てに “メイド” があるのだ。
◆
頭にホワイトプリム。
顎には長い髭。
ビア樽のような胴体の白いエプロンがはち切れそうだ。
短い足の膝下まで伸びるスカート。
「大地の妖精であり」
「“メイド掘削法”の使い手」
「「メイドワーフ」」
ルリさんと自分の声が重なる。
メイド服を着た髭ヅラのドワーフがそこにいた。
メイド姿のドワーフの横に飛龍を着地させる。
「この鉱山のメイドチョーだ」
「この鉱山のメイド(ワーフ)たちを監督しておる」
自分とルリさんが、メイドワーフチョーの前に飛龍から降りた。
「「「百八あるメイド殺法その1、メイドカーテシー」」」
メイドと竜騎士とドワーフがカーテシーをした。
「支援物資ありがとうな」
「早速このエレベーターの近くに出してくれんかのお」
メイドワーフチョーのスカートが揺れる。
「わかったわ」
ヒラリ
ズシン
ルリさんがスカートをひるがえす。
約倉庫一個分の支援物資をスカートの中から取り出した。
「じゃあ自分も」
インベントリから取り出す。
ーールリさんの半分くらいか
「やはりメイドさんにはかなわないなあ」
自分は、スカートから倉庫一個分の物資を取り出した、ルリさんを尊敬の眼差しで見た。
「崖崩れの原因は、ロックワームのようよ」
「そうじゃのう」
メイド服姿の二人が深刻そうに話す。
「いつもは、ロックワームは街道から離れたところにおるんじゃが」
「ロックワームを餌にしとるコッカトライスに、何かあったのかもしれんのう」
「ちょっと調べてくれんか?」
メイドワーフチョーが、飛龍と自分を見ながら言った。
ーーむむ、何か仲間はずれのような気がする
メイド
「いいですよ」
メイド、ドワーフ、180センチくらいの男(自分)。
メイド服が三人になった。
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