第4話 夢の中のあの子
俺は家に上がり、まず大きなショックを受けていた。
家はさ、玄関に大きな鏡があるのよね。
で、自分見たわけよ。
何これ……
茶髪でグラマラスな、雑誌とかでしか見たことない様な美女が、全身ズタボロの服着てんのよ。
「は?」
『ねえ!』
「ひうっ!……なに?これ?……頭打ったのかな……」
『おーい』
「うわっ、……頭の中から声してる……は、はい?」
『あーもう、やっとだね。こんにちは』
「……こんにちは」
あー、やべえ、これ危ない奴だわ。
自分で自分に話しかけるとか……
うん。
『あの、ごめんなさい』
「ん?……何が…」
『あーもう、面倒だね。いいや、エイッ!』
「っ!?」
俺の意識が暗転した。
そして夢のような物が脳裏に浮かぶ……
※※※※※
まるで物語でしか見たことの無い様な豪華なお城のような建物の一室で、上品なソファーで一人の女性が座っている情景が浮かんできた。
金髪の腰まで届くような長い髪を軽くウエーブさせ、頭にはヘアバンドのような物で髪を押さえているようだ。
同じ色の長く整った眉毛に、大きな整った目にはエメラルドグリーンの瞳が輝いている。
すっと通った鼻筋に、美しいピンクのやや薄めの唇が非常に可愛らしい。
すげー美人。
……さっき鏡で見た顔とほとんど同じだ。
髪の毛と瞳の色が違うくらいかな。
確か茶髪で青っぽかったよな……
なんか高級そうなドレスみたいなの着ているし……
「失礼します」
ドアが開き、鎧みたいなものを身に着けた兵士?が部屋に入ってきた。
「ニーナ姫、もう敵の手がすぐそこまで来ています。どうか、お逃げ下さい」
「いいえ。わたくしは最後まで務めを果たします。王家の最後の一人として、逃げるわけにはまいりません」
「ですが、きっと捕まればひどい目に……ニーナ、頼むから、俺と逃げよう」
あー、なんかコイツこの子のこと好きなのかな。
必死な表情だわ。
「…ごめんなさい。アーノルド。わたくしは心に決めた方がおります。あなただけでも逃げてください」
うーん。
悲恋ってやつかな。
もったいないな。
こんなに美人なのに……
「くっ、姫、ご無礼を」
「っ!?な、何を……あうっ……」
男は突然女の子の首のあたりに手刀を落とした。
「ゴッ」っていう痛そうな音したけど……
あっ、へーまじで気絶するんだね。
ドラマだけかと思ったわ。
ん?この男、なんかおかしくね?
ニヤっとしたぞ!?
「ふう、おとなしく言う事を聞けばいいものを。……しかし本当に上玉だな。処女らしいし。くっくっ、高く売れそうだな」
うわー、コイツクズだわ。
最低だな。
「ふん、取り敢えず運び出すか……良い体してるな……」
あっ、コイツ変態だ。
気絶してる女の子に手を出すとか……
最低なドクズだな!!
あーおい、やばいって、誰か、助けないと……くそっ、このっ、おい……
「ふふん、良いもの持ってるねえ……どおれ」
ああ、おっぱい揉むぞコイツ!?くそっ、触んな!!
ちくしょー、見てるだけとか……
良く判んないけど、俺はこの子を助けたいって思った。
少なくともこんなことされる女の子を黙って見ているなんて……許せないだろ!?
突然目の前の情景が消えて真っ白い空間にいた。
「……は?」
「ふむ、お主……まあまあじゃな」
そして知らない爺さんが目の前にいる。
俺は思考停止状態だ。
なんだこれ?
俺はますます混乱していく。
誰か教えてくれー
プリーズテルミー!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます